第二章
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「うち他のお家に比べてよくお好み焼きするし食べに行くし」
「それでか」
「こんなに上手なのね」
「慣れてるんだな」
「そうよ、親戚お店やってるしね」
そのお好み焼き屋をというのだ。
「だからね」
「その分か」
「得意なのか」
「そうなんだな」
「そうよ」
実際にというのだ。
「慣れよ」
「慣れでも凄いな」
「才能あるよな」
「才能ないとここまでは」
「無理よね」
「そう?まあ私お好み焼きなら得意だから」
かをりの返事は変わらない。
「任せてとまでえはいかないけれど」
「自信はある」
「そう言うのね」
「そんなところよ」
こんなことを言いつつまた一枚焼く、店はかをりの頑張りのお陰で大好評だった。そしてその彼女を見てだ。
ある日だ、江坂のあるお好み焼き屋の親父がわざわざ彼女の家に来てそのうえで言ってきた。
「うち今人手が足りなくてさ」
「アルバイトですか?」
「噂は聞いてるよ」
親父はかをりのその目をじっと見て言う。
「お好み焼き焼くの得意らしいね」
「まあそれは」
かをりも否定せずに返す。
「それなりに」
「よし、じゃあな」
「アルバイトにですか」
「来てくれるか?バイト料は弾むよ」
「具体的には」
ここでそのバイト料を聞くとだ、かをりの予想以上だった。それでかをりは親父に目を輝かせて答えた。
「じゃあ部活も終わったし大学も推薦決まってますち」
「すぐにだね」
「はじめさせてもらいます」
これがかをりの返事だった。
「是非」
「よし、じゃあ明日からね」
「お願いします」
こうしてだ、かをりはお好み焼き屋でえのアルバイトをはじめた。スカウトの理由であるお好み焼きの焼き方だけでなく。
接客もよくてだ、客達にも好評だった。それで客達も親父に笑顔で言った。
「いい娘見付けたな」
「焼き方も接客もいいな」
「これで人手不足も解消で解消したし」
「よかったな」
「ああ、本当にな」
親父は客達に笑って話した。
「わざわざスカウトした介があったさ」
「そうだな、あえてだろ」
「お好み焼き焼くの上手な女子高生がいるって聞いてだろ」
「スカウトしたんだな」
「そうだよな」
「そうさ、本当にスカウトしてよかったよ」
親父は昔ながらの庶民的な店の中で言った、ソースとお好み焼きが焼ける匂いが実にいい。
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