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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第91話:何だかんだ言ってエゴイスト
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(グランバニア城・宰相兼国務大臣用応接室)
ピエッサSIDE

うぅ〜……緊張するよぉ……
ただでさえ宰相閣下に会うなんて緊張するのに、何だか閣下と部下の女性が仲悪そうでギスギスした雰囲気……
何なの? 何で叔父様は私を選んだの!?

宰相閣下の執務室に隣接する応接室へ来ると、座り心地の良さそうなソファーがあり、閣下が先に座ると対面する方に座るようにジェスチャーで進められる。
言われるがまま座ると、一緒に来た女性が一旦部屋から出てお茶の準備をしている。

その間は応接室の扉は開きっぱなしで、執務室の方々からも私達の事が見えるようになってる。
勿論その間は閣下も何も喋らず、無言で私が持参した推薦状を読んでいる。
こっちを見続けられるよりマシだけど、何だか粗探しされてるようで良い気分では無い。

部下の女性がお茶を持って戻ってくると、扉が閉められ完全な密室が完成した。
そしてその密室には私を含めて3人しか居ない。
内2人は仲が悪そう……
か、帰りたいよぉ〜。

「悪いね緊張してるのに、こんな所に閉じ込めちゃって」
「い、いえ……とんでもございません」
解ってるのなら大勢の前でが良かったですぅ。

「実はさ……こちらのユニさんも、先刻(さっき)の部屋に居た連中も、今回の事を知らないんだよ。下手に噂だけが先行するのも嫌だったし、細かい内容は秘密のまま事態を進めたいと思ってね」
「はぁ……そうなんですか……」
何とも間抜けな受け答えだが、他に何と言えば良いのか解らない。

「まぁそんな訳でさ、芸高校(芸術高等学校)の理事長からの推薦状を持ってきた若い女の子と、二人っきりで応接室に籠もるのは何かと問題があるんだよ」
「……た、確かに変な噂を立てられかねませんね」

「そう。でもユニさんと一緒なら大丈夫。俺が彼女と二人きりになってもエロいことしてると勘ぐる奴は居ない。なんせ俺、この女に男として見られてないからね!」
「そ、それは……その……何というか……」
如何してこの人は応答に困る事ばかり言うのでしょうか?

「閣下……その様なことはありませんよ。私だって閣下のことを男として見ております。クズでヘタレな最低男として(笑)」
「いや……男なら何でも良い訳じゃないんだけど」
ヤバイ……この二人、本当に仲が悪いわ。何があったの……二人の間に?

「さて……そろそろ本題に入るけど、君にはある人物の手助けをお願いしたいんだ」
「は、はい。理事長から大まかな説明は受けております」
何でも宰相閣下の知人女性の為に、私の音楽スキルを役立てたい……との事。

「そうか……じゃぁ簡単に説明すると、これから君が会う女の名はマリー。性格は超我が儘。音楽の才能は皆無。歌唱力は中の中。容姿だけはピカイチ。そん
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