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SAO:tr2―閃光と鬼道雪―
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、別に真似しているわけじゃ…………まさか。
 私は嫌な予感がして、恐る恐るエギルの方へ顔を向け直す。
 視界に映ったエギルの表情は温かい意味を込めた微笑ましい笑みをしていた。

「何だ、キリカもラグー・ラビットの肉持っているのか。流石双子。二人して仲がいいんだな」

 ついにはガハハと豪快に笑いだした。
 兄がうんざりした顔で言ってきたからまさかと思ったけど、思った通りだったとは。

「なんで被るの!?」
「それはこっちの台詞だって」
「こっちの台詞だってあるわよ!」

 まさか双子そろって同じ日に同じ高級食材を手に入れているなんて、どんな確率だよ。出来過ぎで明日からなんか不幸が舞い降りて来ないか恐ろしくなるわ。
 あれ? 兄がエギルのところにいるってことは、兄も料理しないでお金に変えるのか。
 ……確かに兄も料理スキルは取っていないから、料理したところでゴミになるだけかもしんないけどさ。兄の知り合い……一番関係が深まっている人が料理できるって知っているのかな?
 まあ、いいや。知らないのなら教えてやんないもんねー。

「……なんかもったいないなー」
「仕方ないだろ。俺はS級食材を料理できる程、スキルを取っていないのはわかっているだろ」
「……自分はね」
「何か言ったか?」
「別にー……」

 私はテーブルに顔をくっつける様にうつ伏せになりながら、兄を呆れることにした。
 本気でわかっていないのなら、尚更教えるわけにはいかないわね。明日になれば後悔したと嘆いてやればいいんだわ。
 そんなことを私が思っている事を知らずか、今度は兄がラグー・ラビットの肉の件で訊ねてきた。 

「そういうお前は食べないのか? 二度と手に入らないかもしれないんだぞ」
「そろそろ薙刀を新調したいんだよ。それにお金はあっても困ることないし……料理ができたら、こんな狭くて汚いところに来ないわよ」
「まあ、それもそうだな」
「なあ、どうして俺がディスられる流れになっているんだよ」
 
 エギルに一瞥すると、失笑しぴきぴきと額に怒りマークを浮かべる。うん、見なかったことにして話し続けよう。

「悪かったって。じゃあ、さっそくだけどエギル」

 私がエギルに買い取ってもらうために、トレードウインドウを表示させようとした時だった。

「キリト君」

 誰が言葉を挟みかけて、キリトの背後から肩をつつかれている所を目で捉えた。
 キリトは相手がわかっているような素振りを見せるかの様に、左肩に触れたまま相手の手を素早く掴んで「シェフ捕獲」と、振り向きざまに言った。

「珍しいな、アスナ。こんなゴミ溜めに顔を出すなんて」

 その人の名はアスナ。攻略組の最強ギルドを誇る『血盟騎士団』……通称、KoBの副団長。美少
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