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SAO:tr2―閃光と鬼道雪―
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ところか接近戦になるのも困難。故にラグー・ラビットの肉を手に入れう事は非常に難しいなかなか出に入れないのだが、どうやら今日の私は運に恵まれているらしい。『イービルラビットマン』が持っていたのはおそらく、他のプレイヤーから盗んだ物と見ていいだろう。
 そうなると奪われたプレイヤーは運に恵まれていなかったんだろうね……ご愁傷様です。
 しかし困った事に……私ラグー・ラビットの肉を料理できる程の腕前はない。それどこか、料理スキルという技能を取っていない。完全に宝の持ち腐れ状態だ。
 そもそもラグー・ラビットの肉というS級の食材を調理できるのは、達人級の料理人プレイヤーしかいないだろう。
 そんな人が私の周りに…………いや、いるか。でも、相手が相手だからなぁ……私なんかが話しかけていいものだろうか。別に遠慮する必要はないし、私としてはその人とお喋りをする口実ができるから願ってもないことなんだろうけど……。
 …………まあ、無難にお金にしたほうがいいか。取引次第では十万コルに値する額だ。お金は多くあっても困ることはないからね。
 さて、と……。S級のアイテムをゲットしている以上、下手に進んで盗賊プレイヤーかイービルラビットマンに盗まれたらもったいない。せっかく手に入れたのだから大事にするべきだと私は解釈して腰の小物入れから青色の宝石を取り出した。
 魔法の要素がほどほど排除されているこの世界で、わずかに存在するマジックアイテムは全て宝石の形をとっている。
 大変貴重ではあるけど、明日頑張るから今日は自分に甘えようと言い聞かせて青い宝石を使用、瞬間転移で七十四層の転移門に行かずに五十層の『アルゲード』へ転移した。



 『アルゲード』という街は簡潔に表現すれば猥雑(わいざつ)の一言に尽きる。ぶっちゃけ雰囲気だけならドンパチが起こってもおかしくはない。
 広大の面積なのに巨大な施設はひとつとして存在せず、無数の狭くて通行困難な道が重層的に張り巡らされているし、何を売るとも知れぬ怪しげな工房や、二度と出てこられないのではないかと思わされる宿屋などが軒を連ねている。実際、ここ一年ぐらい住んでいるけど、未だに道を覚えていないところがあるし、迷うこともある。
 “彼”を含め、NPCも一癖も二癖のある人達が多いのも特徴になってきた気がする。私も最初はとりあえず安くてそれなりに内装がオシャレな寝る場所だけ確保していただけだけど、すっかり街の雰囲気が気に入っちゃったみたいだ。
 そんなことを浸りながら、私はラグー・ラビットの肉とアイテムを買取したいので、顔馴染みのゴツイ体系ではあるが笑うと愛嬌のある、エギルと言うプレイヤーが経営している買い取り屋へ足を向けた。
 転移門のある中央広場から西に伸びた目抜き通りへと踏み込み、人ごみを縫いながら数分歩く
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