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SAO:tr2―閃光と鬼道雪―
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「ちょ、ちょっとタンマ!」

 鈍色(にびいろ)に光る剣尖(けんせん)が私に容赦区なく襲い掛かる。
 私は咄嗟に体制を低くしてその攻撃を回避した。
 
「タンマって言っているのに……」

 私が静止するように言ったところで奴は止めてはくれないだろう。
 そんなことをわかっていながらも、私は『イービルラビットマン』と言うウサギ顔の人型モンスターに言ってしまうものだ。まあ、いかにも海外アニメみたいな悪巧みしそうで可愛い毛のない表情をしている奴にどのみち話が通じるわけないと思うけどね。
『イービルラビットマン』の特徴は、右手に持っているダガーをちまちまと相手を煽らせる素早い攻撃に加え、奴のソードスキルを喰らってしまうと、一定の確率でアイテムが盗まれる厄介な仕様になっている。そしてアイテムを盗むと逃走する…………な面倒くさいことこの上ない。
 今日も七十四層の『迷宮区』の攻略に励んで一日分働いて転移ゲートに戻ろうとしたら面倒なモンスターとエンカントするなんてね。きっと今日の星座占いは下位の方でしょうね。

「すぐにケリをつけさせるわ」

 こんな時こそ私は余裕の姿勢を保ち、右手に持っている薙刀を構え直す。
 私の一瞬の隙を確実に抉る様に『イービルラビットマン』は短剣スキル『ラピッド・バイト』で一気に距離を詰めてきた。
 『ラピッド・バイト』はダッシュしてからすれ違うように斬りつける技。元々使い勝手が良いだけに、ちくちくと攻撃するのに短剣は相性がいいのだろう。
 でも私は『ラビッド・バイト』を“簡単”に避ける。
 逆に相手の隙ができた瞬間を私は見逃さずに捉える。
 一歩前に踏み出し、右から左へと大きく薙ぎ払う斬撃、薙刀のスキル『吼龍(こうりゅう)』を使用。『イービルラビットマン』の心臓を抉るようにクリティカルヒットした。
 悪巧みの可愛くないうさぎは奇声を上げ、斬られ役が名演技ばりのように背中から倒れた。そして死体として残ることなく、ガラスを割り砕くような大音響と共に微細なポリゴンの欠片となり、風とともに舞い散って消滅した。
 モンスターを倒した私は経験値と時々アイテムを貰い、視界中央に紫色のフォントで浮き上がった加算経験値とドロップアイテムリストを一瞥してみた。

「こ、これはっ!?」

 手に入れた物は食料品に対して仰天してしまった

「ら、ラグー・ラビットの肉!? え、うそ、なんでっ!?」

 私が驚いた理由は二つ。
 一つはラグー・ラビットの肉は滅多に手に入る事ができないS級のアイテムである事。
 もう一つは本来、超レアモンスターである『ラグー・ラビット』を倒さないと手に入れられ物であるからだ。
 その『ラグー・ラビット』は逃げ足の速さに関して、モンスターの中でも最高の位置に値し、倒す
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