過去のマイン
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との戦いが終わった頃やし、勘違いする余地なんてあらへんで」
「ふぅむ……これはどういうことだ? どうして時間の認識にズレが生じる……?」
考え込むうちらに対し、唐突にネピリムが挙手して真相を話した。
「忠告。現在の次元世界と世紀末世界とでは、時間の位相が歪んできている。暗黒物質の影響かどうかは不明だけど、とにかく昔と違って今の次元世界は世紀末世界より2年ほど時間が進んでいる。この状況下でもし並行世界移動をした場合、転移中のコントロールが乱れたり、転移先の座標がおかしくなることが考えられる」
「そうだったのか。しかしネピリム……そういうことは早く教えてくれ」
そこは同感や。それと、うちらが次元世界に来る際に皆がそれぞれ分断され、転移が失敗した理由も判明した。要するに荒波の海に無理やり飛び込んだ結果、バラバラに流されてしまったようなものなんやろう。ある意味、次元世界に来るタイミングが悪かったっちゅうことやな。
「さて……互いの世界の時間は今ズレているということで話を戻すが、もしあの時ヴァナルガンドが封印できていなかったら、いくつかの世界が完全に崩壊していたことだろう。ファーヴニルを目覚めさせられたニダヴェリールのようにな。だが、封印したらしたで今度は別の問題が生じてしまったわけだ」
「それがさっき言ってた虚数空間の暗黒物質か……」
「ヴァナルガンドから放出された暗黒物質は、当然ながらヴァナルガンドの影響を強く受けている。そして長時間ヴァナルガンドの力の影響を受けたクロロホルルンは本来の性質……憑りついた対象を吸血変異させる能力に加え、かつて暗黒の戦士サバタさえも翻弄されたヴァナルガンドの破壊衝動に苛まれるようになる。そう、あのヴォルテールが暴走したのは、クロロホルルンを通じてヴァナルガンドの破壊衝動に襲われていたからだ」
「ちゅうことは、他の世界でもヴォルテールと同じように、ヴァナルガンドの破壊衝動のせいで暴走してもうた奴もおるってことか?」
「その通りだ。強力な力を持った究極召喚獣でさえも、召喚士の意思に反して暴走してしまった場面に遭遇したことがある。確か名前は……“白天王”だったか。その時に俺はたった一人で対処に動いていたネピリムと会い、辛うじて召喚士達の命を助けることはできた。同時に白天王もあるべき場所へ帰した。その後、俺にも都合や予定はあったが、融通が利く範囲でならネピリムに協力し、強化された特殊なクロロホルルン……ネピリムが“ネメシス”と呼称していたそいつの排除に動くことにしたわけだ」
「ほうほう……。ところでそのネメシスやけど、憑りつかれた存在はもしかして石化してしまうんか?」
「察しが良いな……正解だ。恐らくだが、あれはヴァナルガンドを通じてカーミラが魔女の力を使っている影響だ
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