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リリなのinボクらの太陽サーガ
過去のマイン
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ことにした。個人的に知りたいことは、その後にしておこう。

「そんじゃこっから質問タイムっちゅうことで、まずはアルザスの異変について教えてもらえへんか? うちらも巻き込まれたわけやし、何よりキャロが知りたがっとるからな」

「いいだろう。……ザジ、おまえは世紀末世界出身と言ったな。ということは破壊の獣ヴァナルガンドのことは既に知っているだろう?」

「それはそうやけど、なんでいきなりあの絶対存在が話題に出てくるんや?」

「簡単なことだ。先程ヴォルテールを暴走させていたクロロホルルン、あれはヴァナルガンドから放出されたものだからだ」

……は?

「なんやと!? あのクロロホルルンはヴァナルガンドから出たもの!? せ、せやけどあれはカーミラが虚数空間に石化封印したってシャロンから聞いたで!? どないなっとるんや!?」

「そう、事は4年前のP・T事件で、ヴァナルガンドを虚数空間に封印したところから始まる……」

それからサルタナは誰も知らなかった真実を語りだした。P・T事件以降、虚数空間に漂う存在となったヴァナルガンドは、自らを縛り付けた石化封印に抗うべくカーミラの魂と衝突している。当然カーミラは今も抵抗しているだろうが、とにかくその衝突が原因でヴァナルガンドの身体を媒介に、虚数空間に凄まじい濃度の暗黒物質が充満していった。あまりの量ゆえに次元や時間が歪み、時折虚数空間から次元世界に勝手に出てくるほどに……。

「スカルズのようにヴァランシアが変異させたのもいるが、結論だけ言えば次元世界でアンデッドやクロロホルルンが自然発生するようになったのは、虚数空間から暗黒物質が溢れてきたのが原因だ」

「さよか……。魔女一人の魂では、絶対存在を完全には抑え込めへんかったんやね……」

それに暗黒物質の濃度が高すぎると、次元や時間が歪むという話も納得できる。なぜなら、かつて存在していた死の都イストラカンは暗黒物質によって他の世紀末世界の断片を引き寄せて、その姿を構築していた。そして、アンデッドダンジョンも外に出たら罠や仕掛けが復活していた。俗に言う世紀末現象が、どうやらヴァナルガンドと虚数空間を介して次元世界にも発生しとるらしい。ヴァナルガンドとの決着がついた、4年前から……ん?

「あれ? 4年前? 2年半前の間違いちゃうんか? サン・ミゲルにシャロンが来たのが大体2年前やから、逆算したらヴァナルガンドが封印されたのはそんぐらいの時期ちゃうの?」

「む? いや、P・T事件が起こったのは俺の記憶上でも、データの記録上でも確かに4年前だぞ。2年半前の事件と言えばニブルヘイム襲撃事件、2年前では髑髏事件だが、もしやファーヴニル事変と勘違いしているのでは……?」

「いやいや、シャロンがこっちに来たのはそのファーヴニル
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