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リリなのinボクらの太陽サーガ
過去のマイン
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摘。でもOSなどのシステム面も含めてユーリ技術部長が製作したものだから、ラプラスほど特殊な能力は備わっていない。代わりに拡張性が高くなっているから、専用パッケージを装備して能力を向上させることができる」

「イモータル製のラプラスと、人間製のシュレディンガー。単一で性能が完結する万能な機体と、必要に応じて臨機応変に拡張装備を付けられる多様性のある機体。どことなく作り手の性質がうかがえるな」

確かに単体で完璧なのと、装備次第で何でもできるというのは、イモータルの自らの力のみを信じて他者の力を頼らない性質と、人間の成長性や他者との協力できる性質を体現しているようにも感じられた。

それはともかく、二人に進められるままこの機体に乗ったうちらはコクピットの後部座席に座った。そしてネピリムが助手席、サバタ似の男が操縦席に座り、エンジンを起動、船を動かし始めた。

「ちょい待ちぃ! 話を聞かせてもらえるっちゅうからついてきたのに、そのまま出発するとはどういうつもりや!」

「あの……せめてこれからどこへいくのか、教えてくれませんか……?」

「地球。次元世界のだけど、これから国連との極秘会談が行われる。元々私達はそのために移動していたんだけど、道中でとある反応……さっきの竜に憑りついていた特殊なクロロホルルンを発見したから、その対処を優先した」

「そうしたらおまえ達を見つけた、という訳だ。詳しい話は移動中に話す。アルザスがこうなった理由も含めてな」

「え、お二人はアルザスに異変が起こった理由を知っているんですか!?」

「ああ」

その一言を聞いた瞬間、居ても立っても居られなくなったキャロ。逸る気持ちのまま尋ねようとした直後、シャトルがグンッと発進し、圧力を受けた彼女は席に押し付けられていた。離陸中はシートベルトを着用していないと怪我する危険がある、なんてことを考えとったうちをよそに、シュレディンガーは次元空間へと飛び込んだ。

窓の外は変な流れが見える空間やけど、とりあえずここまで来たら操縦をオートモードにしても問題ないらしい。彼は操縦桿から手を放し、ネピリムと共にうちらの方へ体勢を向けて話をする姿勢をとった。うちらも気を引き締めて彼らの話を聞くべく、意識を集中させる。

「さて……まずは互いの自己紹介から行こう。俺はサルタナ、ラジエルの艦長だが、諸事情で今は代理の人間に任せている」

「紹介。私はネピリム、訊きたいことはたくさんあるだろうけど、ひとまず今は置いといてほしい」

「はぁ……うちは星読みのザジ。世紀末世界出身の魔女や。そんでこの子が……」

「きゃ、キャロ・ル・ルシエです……。こっちはフリード……」

「きゅる!」

一通り名前を言い合ったところで、まずはアルザスの異変の詳細を訊く
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