過去のマイン
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出されるんやけど、今回はアニマの器によるブーストがかかっている影響か、サン・ミゲルの太陽樹に匹敵するほどのどえらいサイズになってもうた。まあそのおかげでヴォルテールは、うちらではなく早急に破壊すべきだと判断した氷塊に対して炎の集束砲撃を放ったから、こっちにブレス攻撃が来ることは無かった。
凄まじい重量で落下する氷塊と、とてつもない熱量のブレスの衝突は周囲におびただしい水蒸気をまき散らす。うちらはその衝突による爆風を受けて身をかがめ、ブレスが収まった時には氷塊は砕けて粉状に地面へ降り注いでいった。
「マジかいな……結構本気で出したつもりのアレを蒸発させるなんて、守り神のブレスってどんだけ凄い熱量やねん」
「6000℃ぐらいじゃないですか? 確かめた人はいませんけど」
「太陽に匹敵する温度やないか! そりゃ氷塊も溶け切るわ!」
ブレスをまともに喰らったら火傷程度じゃ済まないことを再認識したうちらに対し、ヴォルテールは直接攻撃を目論んだのか、その巨大な右腕を握り締めてこちらに放ってきた。超巨大質量の拳は街の建物を雪崩のようになぎ倒しながら迫ってくるが、あることに気付いたうちは全魔力とアニマの器の力を注いだシールドを展開、拳の進撃を辛うじて止めた。
「ざ、ザジさん!?」
「ふんぬぁあああああああっ!!! あ、ダメや! こんなん耐えられへんわぁ!!!」
「称賛。一瞬でも止めただけ上出来」
シールドが砕け散る寸前に、近くにいた黒い鎧の少女が爆音と同時に地面を抉りとるほどの凄い速度で突貫、土煙を背景に槍で渾身の一突きを放ち、ヴォルテールの右拳をカチ上げた直後、流れるように胴体にもスイング、ヴォルテールの体躯が空中に放り出される。
「突撃。……トドメは任せた」
盛大に土煙を浴びてせき込むうちらの向こうで、少女はなんか通信機で誰かに合図を送っていた。誰と通信したんかな、と思った刹那……。
―――キンッ!!
「…………………は?」
落下中のヴォルテールの胴体に無数の光の一閃が走った。刹那、体にまとわりついていたクロロホルルン群体が一瞬で霧散し、悲鳴のような声を上げて倒れ伏すヴォルテール。それと相対するかのごとく瓦礫の上に、刃が青く光る巨大な大太刀を持った一人の男が降り立った。そしてその後ろ姿は……サバタに非常に酷似していた。
「古の竜さえも限界を迎えたか……。……いや、違うな。身体が操られようと、心だけで今も抗い続けていたか。お前のその意思、無駄にはせん。……ネピリム!」
「了解。……あんこぉぉぉくっ!!」
彼の呼び声に答え、ネピリムと呼ばれた黒い鎧の少女は倒れてもがくヴォルテールの傍に近寄って手を当て、驚いたことに暗黒チャージを開始した。なぜサバタの暗黒チャージを彼女も使える
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