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リリなのinボクらの太陽サーガ
過去のマイン
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捜査に来たのだ。猛毒の羽は一枚残らず掃除されたが、戦闘の跡はまだ残っていて、特にこのベンチなんかは凄まじくボロボロになっていた。

「もしかして、このベンチに座ってた人が狙いだったとか?」

なんて冗談を口にしてみたけど、実はこの時の私は的を射た発言をしていたらしい。尤も、それを知ったのは割と先だったが。

次に私はフレスベルグと交戦を始めた場所へ向かった。そこは何の変哲もないただの道路だが、電灯が一本、真ん中がへし折れた状態で倒れていた。恐らくこの電灯がフレスベルグに電気ショックを与えたのだろう。それにしても、この電灯の根元の切り口……凄まじい切れ味の何かで斬られたように見える。それこそ、魔力を帯びた刃物以上に……。

「まさか高周波ブレード……? でもこんな武器持ってる人間が、ミッドにいたっけ? ……ん?」

ふと顔を上げた私は、点々とした血の跡が歩道部の上に残っていることに気が付いた。その血の跡は向こうの路地に続いてて、途中でちょっと広がっているのを最後に途切れていた。一体、この血は誰のだろう……?

「ほう? 近頃話題の執務官殿がこのような辺鄙な所で調査か? 誰もが街の復興に忙しいというのに、管理局は随分と暇を持て余しているのだな」

こちらを苛立たせるような言葉と共に路地の向こうから現れたのは、カソックを着た男だった。彼はドレビン……本来は武器商人だけど普通の商品も売ってるし、かなりの情報屋でもある。正直、こういう手合いは私達にはかなり苦手なんだよね……。

「あいにく、私はドレビンに頼む事なんて無いよ。別にあなたを取り締まるつもりはないけど、調査の邪魔だけはしないで。時間を無駄にしたくないから」

「時間を無駄にしたくないなら、なおさらこの話を聞くべきだ。その血を流した人物の情報、欲しくは無いか?」

「ッ……ほんと商売上手だね、こっちのことを的確に見抜いてくるなんて。で、いくら出せばいいの?」

「おまえが妥当だと思う金額次第だな」

つまりこっちの誠意がどれだけこもった金額なのかによって、情報が変わるってことだ。ちょっと胡散臭い彼を頼るのは気が引けるけど、これまで情報が間違ってたことはほとんどない。……仕方ない、心づけ程度には支払っておこう。

「ふぅ……執務官のくせに、たったこれだけしか払わんのか……もっと貢献してほしいものだ」

「文句言わないで……今の情勢のせいで、私達も収入が少ないんだから。それで情報は?」

「……その血を流した者はフレスベルグの毒に侵され、ここで力尽きて倒れていた。それを見つけたとある局員は、ミッド北部のアウターヘブン社が協力している医療施設に運び込んだ」

「フレスベルグの毒に侵されて即死しないなんて、その人かなりの耐毒性を持ってるようだね。それで他
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