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リリなのinボクらの太陽サーガ
過去のマイン
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けど、アレは想定してなかったよ……」

私の呟いた言葉にシャマルもはやても難しい表情を浮かべる。それもそのはず、2年ぶりに目を覚ましたなのはが私達を見て発した言葉に、とてつもないショックを受けたからだ。

「はぁ……なのはちゃんに『誰?』って言われるなんてなぁ……正直、今でも信じられへん。確かに私らも何かしらの後遺症はあるって想定はしとったけど、まさかの記憶喪失とは……」

「私達どころか高町家もユーノも、自分の名前すらも覚えてなかったもんね。起きてからもずっと窓の外を見つめてボーっとしてるし、ずっと上の空というか……」

「こういう言い方は悪いかもしれへんけど、心が抜け落ちてるっちゅうか、魂が無いっちゅうか、吹けば消えそうなぐらい儚い印象を抱くもんな、今のなのはちゃん」

「ええ……さっき慌てて来たヴィータちゃんもなのはちゃんに同じことを言われて呆然としてたわ。今はユーノ君と二人でどうにか記憶を取り戻せないか話しかけてるけど、全然効果が無いみたい」

深いため息をつくシャマル。はやてもどうしたらいいかわからず落ち込む中、私はそういえば同じような例が前にもあったことを思い出していた。

4年前……姉さんが幽霊だったあの頃、姉さんは魂の損傷で記憶を失って、存在も綻んでた。その損傷をサバタお兄ちゃんが月の力で修復したおかげで、姉さんは記憶と存在を取り戻せた。もしかしたら今のなのはは昔の姉さんと同じく、魂が損傷してるのかもしれない。ただ、私には魂の状態がわからないし、下手に皆に伝えて、もし間違ってたら余計哀しみが深くなるはず。

「もしかすると、月詠幻歌の回復が中途半端だからあの状態なのかもしれへん。今回目を覚ましたのは、どこかでシャロンちゃんが月詠幻歌を歌って、その余波を受けたからやと思う。ならもっとちゃんと聞こえる所で歌ってもらえば、あるいは……」

「なるほど、直接聞かせれば治るかもしれない可能性は確かにあるわ。結局の所、シャロンを探して歌ってもらうことに変わりはないのね」

二人の出した結論は、ある意味間違ってないのだろう。だけど、わざわざ彼女を探し出して連れてくるより、彼女が歌ってる所にこちらから紛れ込んだ方が穏便に済むのではないか、と私は思った。あまりシャロンを刺激しない方法の中では、これが一番良いかもしれないけど……早くなのはを治してあげたいというはやて達の気持ちもわかるから、何とも言えなかった。

その後、病院から出た私達はそれぞれ行動を始めた。はやてはシャロンの捜索、ユーノはなのはの看病、ヴィータ達も本来の業務に戻る中、私は一人考え事をしながら、そこそこ大きな池がある公園に向かっていた。

というのも、先日の襲撃でフレスベルグが現れたのはこの公園で、あのイモータルが最初に目的にしていたものが何なのか
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