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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
20.ヨツンヘイム
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停止していたのは、積雪で覆われていた巨大な凍りついた湖の真ん中だった。
雪原が陥没し、三面巨人は自ら造り出した湖にまっすぐ落下し、高い水柱を吹き上げた。
「そ、そのまま沈んでぇぇ……」
リーファが力いっぱい懇願したが、しかしやはりそこまで上手くはいかなかった。すぐに巨人の顔が一個半ほど水面から突き出し、近寄ってくる。
もうダメかと思ったその時だった。リーファたちの目の前に黒衣のインプが上空から降りてくる。その手には、身の丈の十倍近くはある鉄剣が握られていた。それは三面巨人が持っていた剣だ。それを両手で握っている。
確かに今まで色々と驚愕させられてきたが今回のは飛びっきりだった。邪神級モンスターが持っていた武器を持つなんてありえないことだ。それに仮に持てているとしてもそれを振るうことはできない。現にシュウは今にも地面につくほどのスレスレで持っている。
「うぉぉぉぉ───ッ!?」
大気を裂くような叫び声をあげてシュウはその鉄剣を突進してから斬り下ろした。爆発音にも似た音と高々と水柱を立てて鉄剣は三面巨人の一番上の顔に直撃した。
その攻撃によって三面巨人のHPの一本バーの半分近くが一気に削り取られていく。邪神の武器を使ったからここまでの威力が出たのだろうか。そもそもあれだけ巨大な武器を振るうことがプレイヤーに可能なのだろうか。
そんな疑問を浮かべながらリーファはありえない行動をしたシュウを確認する。すると三面巨人の目の前でインプの少年は倒れていた。
「シュウ君!?」
リーファはキリトを振り払うとシュウの元まで駆け出していた。HPを確認するが全損しているわけではない。状態異常などのアイコンなどもない。ならば、体勢を崩して倒れているということなのか。それにしては、倒れている時間が長すぎる。
シュウの元にたどり着いたリーファは体を揺する。しかし、反応がない。まるでアバターから意識が抜け落ちてしまっているとでもいうようにだ。
すると再び、あの奇声が聞こえた。リーファの目の前で三面巨人が怒りに満ちた表情を浮かべている。次の瞬間には水中から振り上げられた鉄剣が振り下ろされる寸前だった。
死を覚悟してシュウを強く抱きかかえて両眼を瞑ったその時だった。
「ひゅるるる!」
そんな雄叫びが轟いた。次の瞬間に襲ってくるはずの衝撃は訪れなかった。ゆっくりと目を開けると愕然として目を見開いた。
ざばっと水を割り、二十本近い肢が一斉に伸び上がると、巨人の顔が腕に次々に巻き付いた。
「……どうやら……うま、く……いったよう、だな……」
腕の中にいた少年が掠れた声で呟いた。
「シュウ君!」
リーファは意識を取り戻したシュウを強く抱きしめる。
「……よかった」
瞳から雫が流れ落ちていく。色々な感情
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