暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
20.ヨツンヘイム
[6/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
「ど、どっちを」」

ハモった二人。

「もちろん、苛められてるほうよ」

キリトは次なる当然に質問を口にする。

「ど、どうやって」

「えーと……」

考えてる間にも象頭の邪神の背中に次々と深い傷が刻まれる。

「……シュウ君、キリト君、なんとかして!!」

両手を胸の前で握り締めながら叫ぶとキリトは天を仰いで両手で黒髪を掻きむしった。

「なんとかって言われても〜〜〜……」

シュウは難しい顔をしながら邪神を凝視している。口元に軽く握られた拳を当てながら何かをぶつぶつ呟いている。
そして、何かを閃いたように低い声がリーファの耳に届いた。

「……あのフォルム……もしかしたら……」

シュウの言葉で察したのかキリトが周囲を見回し、次いで肩のユイに囁きかけた。

「ユイ、近くに水面はあるか!? 川でも湖でもいい!」

すると小妖精は、一瞬瞼を閉じ、すぐに頷いた。

「あります、パパ! 北に約二百メートル移動した場所に、氷結した湖が存在します!」

「よし……いいかリーファ、そこまで死ぬ気で走るぞ」

キリトは早口でそういうとすぐに駆けていく。

「え……え?」

戸惑うリーファの手を掴んでシュウも駆け出す。

「これで無事だったら……膝枕一回だからな!」

シュウの膝枕発言に反論する前に駆け出した。
するとキリトが少し前方で投擲用のピックを指先でくるくると回すと「……せいっ!」という掛け声とともに、眼にも留まらぬ速さで右腕が振られ、一直線に飛翔。
三面巨人の一番上の顔に命中。
邪神のHPをごくごく僅かだけ削りとる。しかしそんなダメージ膨大な量の邪神のHPからすれば無いに等しいダメージだ。それよりもこの場面での問題は───

「ぼぼぼるるるるるううう!」

怒りの雄叫びをあげながら巨人のターゲットが象水母からキリトとリーファ、シュウのパーティーへと切り替わった。

「……逃げるぞ!!」

キリトはくるりと北を向き、雪煙を散らして疾走し始めた。

「しっかり掴まってろよ!!」

「ちょっ……」

嫌な予感がしたがそれを口にする前にシュウはリーファの手を強く握りしめると異常なまでの速さで地を蹴りあげて瞬間的に加速した。

「いやああああああ───!」

《ルグルー回廊》の時同様にリーファの体は水平に浮かび上がり、ぶんぶんと振られる。
直後、すぐ後ろから轟く咆哮と立て続けの地響き。巨人も追ってきている。

「クソッ!! ……予想よりも早いな」

シュウが舌打ちをする。背後の巨大な震動音はすぐ近くにまで迫っている。邪神の身長はリーファの十三倍近くある。その歩幅もそのくらいだと考えれば計算するまでもなくすぐに追いつかれる。


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ