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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
20.ヨツンヘイム
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ーブポイントのシルフ領《スイルベーン》へと戻され、ここまでの努力が水の泡になってしまう。
アルンを目指していたが到着できそうになかったので、冒険を終わらせようと森の中の知らない小村に降下したのが間違いだった。
「───まさか、あの村が丸ごとモンスターの擬態だったなんてなあ……」
キリトがため息混じりに言った。リーファもふうっと息を吐き出し、頷く。
「ほんとよねぇ……。誰よ、アルン高原にはモンスター出ないないて言ったの」
「リーファだけどな」
「記憶にございません」
やる気のないボケツッコミに続けて、もう一度同時にため息。
村そのものがミミズ型の巨大なモンスターで、強力な吸引力に吸い込まれ、最悪の死に方だ!と確信したが、幸いなことに三分近くでぽいっと放り出された。
とりあえず背中の翅で落下を止めようとするが飛べず、そのまま深い雪に埋まりこんだ。
月や星の輝く夜空の代わりに広がる天蓋、そして目と鼻の先に雪原をゆっくりと移動する異形な姿のモンスター。それは写真でしか見たことがないが、一瞬でわかった《邪神級モンスター》だと。
すぐ顔を出し、何かを喚こうとするキリトと見つけるや否や武器に手をかけようとするシュウを押さえ込んで、リーファは悟った。ここがALO内の広大無辺の地下世界、最難易度フィールド《ヨツンヘイム》に来てしまったということを。
何とか邪神級モンスターをやり過ごし、現在焚き火を眺めながら壁際に体育座りをしている現状だ。
「ええと……脱出プラン以前に、俺、このヨツンヘイムっつうフィールドの知識ゼロなんだよな……」
「右に同じく」
「あたしも、ヨツンヘイムのこと全然知らないんだよね」
すると、シュウが何かを思いついた質問してくる。
「このフィールドで狩りしてるプレイヤーもいるんだよな?」
「いるにはいる……みたいだよ」
「それならさっきのミミズのトラップみたいな一方通行ルートじゃなくて、普通のルートもあるわけだ」
「あるにはある……みたいね。あたしも実際来るのは初めてだから通ったことはないけど、確か、央都アルンの東西南北に一つずつ大型ダンジョンが配置されてて、そこの最深部にヨツンヘイムに繋がる階段があるのよ。場所は……」
メニューを出し、マップを呼び出す。ほぼ円形のヨツンヘイムの地図を見るが、現在地周辺以外の全てが灰色に塗りつぶされている。
マップの上下左右を順番につく。
「ここ、ここ、こことここあたりのはず。あたしたちが今いるほこらが、中心に南西壁のちょうど中間くらいだから、最寄の階段は西か南のやつね。ただ……階段のあるダンジョンは全部、当然ながらそこを守護する邪神がいるわよ」
「その邪神ってのは、どんくらい強いの?」
暢気なキリトの質問
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