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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
20.ヨツンヘイム
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「ぶえーっくしょい!」
寒さのあまり大きなくしゃみをしてしまったリーファは慌てて両手で口を押さえた。
素早く出入り口を確認する。幸い邪神には気づかれなかったようでホッと胸をなでおろし、焚き火の前に再び座り込んだ。
見上げると壁や天井には怪物のレリーフが飾られている。辺りは所々凍りついており、雪も舞っている。
寒さをしのぐ揺れる炎に照らされ、背中を壁に預けてあぐらをかいたシュウとキリトは、間の抜けた顔でこっくりこっくりと船を漕いでいる。
「おーい、起きろ!」
小声で尖らせて二人の耳を引っ張るが二人ともむにゃむにゃ言うだけだ。キリトの膝の上には、ユイが丸くなってくうくうと寝息を立てている。
「ほら、寝るとログアウトしちゃうよー」
もう一度シュウの耳を引っ張るとそのままこてんとリーファの太腿の上に頭を転がし、もぞもぞと動いていいポジションを探しているではないか。
まさかの膝枕の体勢に一瞬ドキッと心臓が跳ねるが、すぐにどうやって叩き起こしてやろうかという考えに変わる。
とはいえシュウとキリトが居眠りするのも無理はない。何せ、現在のリアルの時刻は、すでに午前二時を回っている。普通ならログアウトとし、ベットで寝てる時間だ。
しかし今だけは、眠気に抗い起きてなくてはいけない事情があった。
左手で拳骨を作り、シュウの頭目掛けて落下させた。
ヴォクシッ、という爽快な音とともに黄色いエフェクトフラッシュは閃き、シュウは頭を押さえてキョロキョロしながら起きる。
「おはよー、シュウ君」
「……お、おはよう」
まだシュウは状況を完全に把握しくれてないようだ。一度大きなあくびをしてから目を擦って、
「……俺、寝ちゃった?」
「あたしの膝枕でね。小パンチ一発で済ませたあげたのを感謝しなさいよね」
「……そりゃどうも。記憶にないってのが少し残念だな……うーん……もう一回頼める?」
「しません!」
「……ん? ……おはよう」
隣で大きく舟漕ぎしていたキリトがリーファの声で目を覚ました。
「アホなこと言ってないで、夢の中で思いついたナイスな脱出アイデアでも披露したら?」
「夢……。そう言えば……何だったけな……」
訊いたあたしがバカだった、と肩を落とすリーファ。キリトの方も見るがまだ寝起きなためか状況を飲み込めていないようだ。
出口を見やるが、動くものは一切ない。
ログアウト出来ない事情とは、リーファたちは現在《ヨツンヘイム》の奥底に閉じ込められ、地上に出れずにいる。勿論、ゲームから離脱は出来るが、ここは安全地帯ではないので、意識が現実に戻っても、アバターはここに取り残される。そして、放置されたアバターがモンスターに襲われれば無抵抗にHPを減らされ、《死亡》して、セ
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