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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第617話】
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」
「……フォルテ先輩……?」
さっきまでビルの屋上に居たフォルテが風の槍の一撃を氷の結晶の意匠をあしらった盾で、風の槍を受け止めていた。
その光景にヒルトは憤りを感じ、レインは目を細める。
「フォルテ……」
「……らんないっス……」
「何?」
「見てらんないっスよ! 何で二人にいいように攻められてるんスか! うちら無敵の防壁、《イージス》がっスよ? 大体、大体っ、誰がっ、私の髪の毛を編んでくれるんスか! 貴女が居なくなったらっ! 誰がっ!」
叫ぶフォルテ――ヒルトはその慟哭を聞き、また心に重くのし掛かる。
フォルテ・サファイアの裏切り――その事実、無意識にヒルトの心に深い影を落とした。
「うぇっ……ふぐっ……」
「おかしなヤツだな。 何泣いてるんだよ、フォルテ」
「貴女が、泣かせたんじゃ……ぐすっ……ないっスか……」
見つめ合う二人、現実に戻したのはアリーシャの風の槍だった。
「ときめき禁止なのサ!」
一気に三本の風の槍を形成させ、放つアリーシャ――二人は回避せず真っ向からその風の槍を受け止めた。
「ほお?」
「……防御結界《イージス》……」
冷気と熱気による分子の相転移によるエネルギーを変換、分散させて防ぐ事がイージスの正体だった。
「さて、これで二対二って訳だな。 織斑一夏なら来ないぜ、足止め役が居るからな」
「何……? いや――それよりも……フォルテ先輩! 裏切るのか!?」
「……そうっス。 もう決めたんスよ、有坂くん。 ……先輩に、着いて行くんス、愛する人と共に、世界を敵に回すんスよ!」
「フォルテ……」
嬉しそうに目を細め、頭を撫でるレイン、フォルテも心地好さそうにしていた。
だが、ヒルトは目尻を吊り上げ、二人の裏切り行為に――言い訳しかしない、そして流されるように裏切った二人にぶちまける。
「……世界を敵に回すだと? ふざけるなよ、たかが一つ二つ年が上ってだけでてめぇの運命が呪われてるだの、宿命だのって言い訳して……。 結局、そうやって楽な道しか選んで無いんだろ! 抗う事すらせず、世界が悪いだのなんだのって決めつけてるんだろ! ダリル・ケイシー!!」
「チッ……!」
ヒルトの言葉に舌打ちするレイン――だけど、ヒルトの言葉が耳に痛かった。
「フォルテ・サファイア! お前もだ!! 愛する人に着いていく――愛してるのなら、その人が間違った道を進むのを正すのが恋人の役目だろうがァァァッ!!!!」
ヒルトの言葉が突き刺さるフォルテ――重く、想いのある言葉。
だがレインは吹っ切り、それを嘲笑した。
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