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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第617話】
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えなかった――裏切られた訳じゃなく最初から向こう側の人間――だがそれでも、ダリルの選ぶ選択によっては引き返す事も出来る筈。


「……戻ってきてください、先輩」

「……あん? ……悪いがそれは無理な相談だな、オレの家系は呪われた家系、呪われた運命――炎の家系の宿命、ミューゼル家を裏切れねぇ」

「……ミューゼル?」

「オレのコードネーム、レイン・ミューゼル。 ……もう良いだろ、説得は無駄だ。 オレとお前は敵同士――だ!!」


 両肩の犬頭から業火が吹き出す――咄嗟にエネルギーシールドで防ぐヒルト、それが合図となり休戦は解かれ、アリーシャの義手がレインに襲い掛かる。


「説得は無駄だったサね。 そしてヤル気満々の眩しい若さは羨ましいのサ」

「ほざいてろババア!」


 赤熱化したブレードと義手が交差し、激しく火花を散らせる一方でヒルトへの攻撃も手を抜かないレイン。

 放たれる火球がエネルギーシールドに阻まれるが徐々に押し始める。

 ヒルトは避けられなかった――避ければ火球が繁華街を襲い、もし人が居て巻き込まれれば怪我人が出るかもしれなかった。


「華の二十代に向かって何ていう言い草だい。 教育してあげるのサ!」


 義手に風が纏われる――螺旋に渦巻く風の槍が容赦なくダリルの機体を削る。


「チィッ!」


 両肩の犬頭をアリーシャに向け、火球を放つとそれは風の槍に散らされて地面に落ちて弾け飛ぶ。

 駐車場に落ち、爆発が車を巻き込み大きく爆発、黒煙を生む。


「……!? 怪我人は――」

「大丈夫サね、怪我人どころか人っ子一人いないサね、あの駐車場」


 ヒルトは生体センサーを起動させると確かに駐車場には誰もいないが、ちらほらとビルの合間やオフィスの中、物陰等には反応を示していた。

 敵――テロリスト、一般人への危害、それら全てを考慮した結果、ヒルトはダリル・ケイシーを敵と判断、北落師門を構えて斬りに掛かる。


「来たな、有坂!」


 双刃剣で防ぐレイン――だが二対一という優位性にたったアリーシャは隙を狙い、死角から――。


「左、もらったのサ!」


 螺旋渦巻く風の槍が左肩を狙う。

 下から狙い打つ風の槍、街に被害が及ばないようにアリーシャは相手の下を選んだ。

 全身をしならせ、風の槍が強襲――僅かに射線軸をずらした一撃、それに気づいたヒルトは容赦なくレインに強烈な回し蹴りの一撃で吹き飛ばす。


「チィィッ!?」


 風の槍の射線軸に飛ばされたレイン――直撃コース、それもアリーシャの宣言通りの左を狙った一撃。

 歯軋りし、直撃に目を閉じたその時だった。


「…………
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