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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第616話】
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した機体でもある。
俺も詳しい映像は見ていないが確か三年前までは隻眼隻手だったという話は聞いたことがなかった。
そんな疑問に答えるようにアリーシャは微笑みを浮かべて告げた。
「此方は事故でなくなったのサ。 でもまあ、我が『テンペスタ』に抜かりはないんだナァ!」
話してる間も襲い来る凶弾を指先で弾き飛ばすアリーシャ――ビルの外壁、地面のアスファルト、そこらかしこに弾き飛ばされた弾痕が残っている。
事故によって鳴り続けるクラクションの音、逃げ遅れた人間は震えながら物陰に隠れて嵐が過ぎ去るのを待つだけだった。
其処から約五〇〇メートル離れたビルの屋上、組み立てられた狙撃銃を構えていたダリルは諦めたように呟く。
「有坂ヒルトの暗殺は失敗、と。 さて、どうだフォルテ、面白い物見れただろ?」
悪びれもなく話すダリル・ケイシーに、フォルテは戸惑いを見せ、立ち上がったダリルを見上げていた。
「なに、してんスか……?」
声を絞り出すので精一杯だった、ただただ目の前で起きた出来事が白昼夢の様で――悪夢なら覚めてほしいとさえ願うフォルテ。
だが全ては現実――コンクリートのざらざらとした感触、秋空に浮かぶ雲、冬が近いのに照り付ける太陽光――全てが現実だった。
「何って、有坂ヒルトの暗殺だろ」
「有坂くんの暗殺って……わけ、わかんないっスよ……」
つい二時間前まで新幹線で楽しげに話していた二人――フォルテはそんな様子を見て羨ましく思い、同時に有坂ヒルトに嫉妬もした。
ダリル・ケイシーの恋人であるフォルテ以外で楽しそうな笑顔にさせたのだ――嫉妬しないわけがなかった。
そんな二人の楽しそうな光景とフォルテの思い出がまるでガラスの破片の様に砕けちり、崩れ去っていく。
「オレのコードネームは『レイン・ミューゼル』。 炎の家系、ミューゼルの末席ってやつ」
「レイン……ミューゼル……」
フォルテに正体を明かしたダリル・ケイシーもといレイン・ミューゼル、ヘラヘラと笑うがその笑顔は何処か悲しげに見える。
だけどフォルテは気付かなかった、突然の事態に、起きた出来事に、思考が追い付かず、ただただ瞳から涙がこぼれ落ち、また絞り出す様に言葉を紡ぐ。
「どう、して……っスか……? 何で、亡国機業につくんスか……? みんな、みんな……裏切って、どうしてっスか……?」
最後の言葉は風に消え入りそうだった――そんなフォルテに、レインは目線を合わせるように屈む。
「何でって言われてもな。 ま、運命って奴だ。 呪われてんのさ、うちの家系は」
そう言って自嘲気味に笑うレイン、逃れられない運命、抗
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