暁 〜小説投稿サイト〜
プテラノドンの三兄弟
第二章

[8]前話 [2]次話
「いないしね」
「じゃあここで休もう」
「今日はそうしよう」
「それがいいね」
 こう話してだ、そのうえでだった。
 兄弟はこの日は丘の上で休んだ、そしてだった。
 この日は朝まで寝て日の出と共にまた飛んだ、飛んですぐにたまたま魚を見付けてそちらに飛んで下りてだ。
 川の中を泳いでいる魚を獲り食べて水を飲んだ、そしてだった。
 腹が満ちたところで満足して川を後にしようとしたがここで次男が兄弟達に対してこんなことを提案した。
「この辺りに住まない?」
「この川のところに」
「そうしないかって?」
「うん、どうかな」
 こう兄弟達に言うのだった。
「丘の上で休めるしね」
「いや、待って」
 三男は次男にこう言った、遠くを見てだ。見れば木々の向こう側に彼等より遥かに大きく後ろ足二本で立ってのしのしと歩いている恐竜がいた。
「あいつかなり危なそうだよ」
「あいつ?」
「うん、僕達にとってね」
 見れば大きな頭にある歯は鋭い、そして顎も強そうだ。小さな目は剣呑に光っている。
「そうみたいだよ」
「それじゃあ」
「うん、ここはね」
 どうにもというのだ。
「いない方がいいかもね」
「そうだね、しかもね」
 長男もここで言った、彼は彼等が餌と水を手に入れた川を見ている。
「ここの川ってお魚があまり多くないんじゃ」
「そういえば僕達がいた場所よりずっとだね」
 次男は兄の言葉を聞いて自分も川を見て言った。
「お魚が少なかったね」
「そうだよね」
「じゃあここにいることは」
「止めた方がいいよ」
「僕もそう思うよ」 
 長男と三男で次男で言う。
「それに丘にいたら雨が降ったら防げないし」
「このこともあるから」
「そうだね、それじゃあ」
 次男はあらためてだ、兄弟達に言った。
「止めておくよ」
「うん、そうしよう」
「別の場所に行こう」
 こう話してだ、三匹は顔を見合わせてだ。
 そのうえで再び飛び立った、そうしてこの日も夜まで飛んだ。
 三匹であらゆる場所を巡っていった、飛んで飛んで飛び続け川や海で餌を獲り水を飲みそうして夜は寝てだ。
 定住の場所を探していった、彼等にとって過ごしやすい場所を。しかし。
 その場所は中々見付からなかった、それで長男はある日空を飛びつつ弟達にこんなことを言った。
「住める場所あるかな」
「僕達が」
「そうした場所が」
「うん、あるのかな」 
 不安になって言うのだった。
「果たして」
「あるよ」
 次男はその長男に言った。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ