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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第六十三話 第一特設艦隊
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なったわけだ。一応理由は有る、帝国軍は俺を集中的に狙うだろうから、兵力を多くしておいた方が効率よく帝国軍を叩けるだろうということだ。
だがトリューニヒト、シトレの狙いはそこではないだろう。例え艦隊司令官の格は下でも国内最大の艦隊を率いさせる、それだけ信頼をしている、そんなところだ。実際に他の艦隊司令官にとって二万隻の艦隊を率いるというのは羨望以外の何物でもないはずだ。
二万隻もの兵力をどこから持ってきたんだとトリューニヒトに訊いたら新造艦と国内の哨戒部隊、各星系の警備隊、星間警備隊から持ってきたと言いやがった。何のことは無い、原作の第十四、第十五艦隊と同じだ。まあ新造艦や哨戒部隊が入っている、原作ほど酷くは無いだろう。
しかしね、艦隊を増やせば当然軍事費は増大する、レベロが嫌な顔をするかと思ったがそうでもなかった。ここ最近同盟は勝ち戦続きだ。戦死者も少なければ艦の損失も少ない。当然だが戦争による費用はレベロの予想よりも少なかった。レベロにしてみれば出来れば金はかけたくないが、元々ある艦と人員を再編成しただけだ。それほど目くじらを立てる事でもない、そう思ったようだ。それにここが勝負どころだと思っているのかもしれない。
第一特設艦隊の陣容は以下の通りだ。
司令官:エーリッヒ・ヴァレンシュタイン中将
副司令官:ワーツ少将
参謀長:チュン少将
副参謀長:ブレツェリ准将
作戦主任参謀:デッシュ大佐
作戦参謀:ラップ少佐
情報主任参謀:ビロライネン准将
情報参謀:ニコルスキー少佐
後方主任参謀:コクラン大佐
後方参謀:ウノ少佐
分艦隊司令官:マスカーニ少将
分艦隊司令官:キャボット少将
分艦隊司令官:ホーランド少将
副官:ミハマ中佐
旗艦艦長:シャルチアン中佐
ローゼンリッター:シェーンコップ准将
他にも二百隻程を率いる分艦隊司令官としてデュドネイ准将、ビューフォート准将、スコット准将、マリネッティ准将がいる。
微妙な面子だ。頼りになる人間とどう受け取って良いか分からない人間が居る。特に酷いのが実際に艦隊を率いる副司令官、分艦隊司令官だ。原作を読む限りどう見ても頼りにならない。過度な期待は禁物だろう。戦術レベルで競い合うような戦いは出来ないし手綱は引き締めておく必要がある。ホーランドとマスカーニなんて自信過剰の馬鹿と間抜けの代名詞に近い。
サアヤの処遇はちょっと迷った。副官にするか、それとも後方参謀にするか……。情報参謀、作戦参謀でも良かった。彼女は元々情報部だし、戦術シミュレーションも下手じゃないからな。だが結局は副官にした。気心も知れているし、他の奴を新たに副官に任命しても下手に怖がられては仕事にならない。最近俺を怖がる人間が増えて困っている。敵はともかく味方まで怖がるってどういう事だ? 俺
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