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SAO:tr1―双子の兄妹―
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 なんでいきなり『はじまりの街』に移動させられたのか、あの鐘はなんの意味があるのか、今の私は次々と起こる不可思議な出来事に混乱してしまう。驚愕を通り越して今、自分が何者なのか見失いそうになる。
 そ、そうだ。
 
「兄、兄はどこ?」

 私は周りを見渡すと、すぐそばに兄のアバター姿を目撃した。
 すぐそばに兄がいる事で私は胸を撫で下ろした。
 それでも不安は残るものの、先ほどよりかは大分周りが見られる様になった。私の周りには兄だけではなく、クラインもいる。
 けど、周りには兄やクラインだけではなかった。装備、髪の色、男女といった色とりどりのプレイヤーが存在している。
 ざっと見ただけで、その数は数千人……いや、もしかしたらSAOを購入してログインした全プレイヤーがいるのではないかと疑いたくなるくらい、とにかく多かった。

「兄、これはどういう事なの? 何が起きようとしているの?」
「わからない……だけど、俺達は強制テレポートされたのは事実だ」

 強制テレポート。
 フィールドにいたはずなのに気づいた時には『はじまりの街』にいさせたのは、運営の仕業って事か。
 だったら強制ログアウトするべきなんじゃないの?

「やっぱりバグとなんかあるのかな?」
「関係ないとは言えないな……」

 ここにいる誰もが何故集められたのかわからないままでいるだろう。
 一つ一つ不安を漏らす声はやがて大きくなり、ざわめき始める。徐々に、苛立ちの色合いをマシ、喚き声の数も多くなる。このことから、全プレイヤーはログアウトできない事を示されている気がした。
 
「あっ……上を見ろ!」

 誰が言ったか定かではないが、一人の声に反応して私達は視線を上に向けた。
 上空にピンク色の様な鮮やかな赤い枠とフォント。よく見れば、二つの英文が交互にパターン表示されている。
 一つは『Warning』二つ目は『System Announcement』
 意味は確か警告、そして二つ目はシステムの……発表だったかな。
 という事は、先ほどまで何も言ってくれなかった運営からようやくアナウンスされるのか。
 全く、驚かせないでよ……と、私は肩の力を抜こうとした。
 それに伴って、一つの疑問が浮かんだ。
 ……わざわざ一か所に集める必要はあったのだろうか?
 そんな疑問を他所に、現象は変化して行った。
 夕暮れの空が一瞬で赤く染め上げた。そして見えない隙間かなんかから、血液みたいなドロドロ状の物が垂れ落ちる。そのドロドロは地面に落ちることなく、高い粘液を感じさせる様に集まっていき、形状変化していく。
 そして現れたのは、二十メートルはあろう真紅のフード付きローブをまとった巨人。だけど、その巨人には脚と顔が存在せず、唯一白色の手袋だけが残っ
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