SAO:tr1―双子の兄妹―
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上がるのを感じたら、なんかこう、ズバーン! て打ち込む感じかな?」
「ズバーンって……」
私の曖昧な説明にクラインはイマイチな反応を示すも、カトラスを中段に構える。
いい加減成功したいクラインは深呼吸して集中力を高める。腰を落とし、右肩に担ぐように曲刀を持ち上げる。
すると曲刀の刃がオレンジ色に輝き、システムが反応させる。
「おりゃっ!」
かけ声と共に左足で地面を蹴り上げ、お返しと言わんばかりに青いイノシシを突進する様に斬りつけた。
これが武器を使ったソードスキル……。
先ほどまでぎこちない動きとは違って、流れるような動きと必殺技を食らわせたという心地よい効果音で相手を仕留める。
青いイノシシはぷぎーという哀れな断末魔をすると、体がガラスの様に砕け散ってしまった。これは『フレンジーボア』を倒したというエフェクトなんだろう。
「うおっしゃああっ!」
クラインはソードスキルを決めた事、あるいはモンスターを倒した事、もしくはその両方を達せした味わいを全面に出す様にガッツポーズを決めた。
当然ちゃ当然だけど、リモコン持ってモンスターを倒すよりも現実の様に体を動かしてモンスターを倒す方が遥かに感動も興奮もでかいはず。現に私はフルダイブした時の感動と興奮が高まり過ぎて心臓が破裂しそうだった。
「初勝利おめでとう」
兄はクラインにハイタッチを交わした。
「イエーイ、ハイタッチ!」
私もその場のノリに合わせてクラインとハイタッチを交わした。
「でも今のイノシシ、他のゲームだとスライム相当だけどな」
「え、嘘だろ!? おりゃてっきり中ボスなんかだと……」
「なわけあるか」
クラインの素で驚いているのか、またはわざと盛っているかは定かではないけど、兄の反応は苦笑いしていた。
でもなんか楽しそうだった。ゲームをして楽しむというよりかは、人と交流して楽しいみたいな感じが伝わって来た。
これぞ双子パワー。妹はだいたいわかっちゃう。
「最初はRPGに魔法を廃止するのはどうかと思ったし、魔法を出したい気持ちはあったけど……ゲームの世界で自分の体を動かすことだけでなんか十分になっちゃうね」
「へへっ、だよな! いやーSAO買って良かったぜ、ほんと」
クラインは好きな物を共有する子供みたいに同意する。
クラインはリアルではどういう人かはわかないけど、ソードアート・オンラインというゲームの世界にいるプレイヤー誰しもが子供の様に楽しんでいるのだろう。
「よし、この調子で次行くか?」
「そうだね。よし、クライン。僕達は初心者同士だからどちらか多く倒せるか勝負しようよ」
「おっしゃ、その勝負乗ったぜキリカ!」
ソードアート・オンラインが配信された
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