SAO:tr1―双子の兄妹―
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その日、私達は心待ちにしていた一つのゲームにわくわくという楽しい感情を露わにしたのだろうか。体感したことのないような未知のゲームで遊ぶ事に、ゲーム好きの子供は誰だって心をたぎらせただろうか。
RPGのジャンルを進化させ、まるでゲームの世界で入ったかのような味わいを体現させるVRMMORPB。
ゲームの世界へフルダイブを可能にできる新しい家庭用ゲーム機となったナーヴギア。
そしてその最初のゲーム。魔法要素を無くし、武器による必殺技を主体としたソードアート・オンライン。
一つ一つの明らかにされる事に、私達ゲーム好きな子供は必然と熱狂と期待を高めたのだろうか。
そして当日になったその日、ゲーム好きの私達は誰しも無邪気な子供の様に、ソードアート・オンラインという世界で遊ぶ楽しさを疑いもしなかった。
でもそれは同時に……。
私達の日常が奪われるという意味を私達は知らなかった。
私達兄妹も、皆が誰もがやりたがる新しいゲームを遊べる楽しみを抱えながら、何一つこの先、ゲームの世界へ閉じ込められるという真実を疑いもせず、ゲームの世界へと飛び込んだ。
●
「ぬおっ、ちょ、こらっ」
剣を振るごとに赤髪に悪趣味なバンダナ男、クラインはまぬけそうな掛け声を漏らす。しかも狙っている青いイノシシ……この世界のモンスター相手を斬りつけることなく空気を切るばかりだ。
ぶっちゃけ外野からすれば、下手としか言いようがない。
「やーい、へったくそ」
「う、うるせぇ! こっちはっておわっ!?」
私が煽るとクラインが反応する最中、青いイノシシがクラインに向かって猛突進をしかけてきた。当然、よそ見をしていたクラインは吹き飛ばされて、草原をころころ転がっていった。
その様子を見ていた私の横にいる男……キリトは笑い声を上げた。
「ははは……そうじゃないよ。重要なのは初動のモーションだ」
「いてて……んなこと言ったってよぉ、あいつ動きやがるんだぜ」
クラインは情けない声で返しながら立ち上がる。
いや、そりゃあモンスターなんだから動くでしょうよ。という挙げ足を取ろうかと思ったけど、難航しているのは確かだし愚痴りたくもなるよね。
「わた……ぼ、僕も初めてやるけど、ソードスキル使うのってそんなに難しいの?」
「いや、そんなことないよ。ちゃんとモーションを起こして」
キリトは足元にある小石を右手で拾い上げる。同時に右腕を上げ投げるモーションを構え始めた。
「ソードスキルを発動させれば……」
キリトが構え始めると小石が穂のかな翠色に輝く。
キリトは慣れているのもあってか、小石が光ったことを見て驚くこともなく、流れる様に小石を投げ始める。
投げた小石は鮮やかな光を引き、青い
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