無印編
ジュエルシードを求めて
過去からの来訪者
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る。
思い切ってキーラ君に思念通話で呼びかけてみる。
『キーラ君、知り合いなの?』
『……ああ。詳しくは後で。2人共、残念だが今回ジュエルシードは諦めよう』
『『ええ??』』
でも、直後にキーラ君はとんでもない事を言い出した。らしくない言葉に当惑していると、更に信じられないことを言う。
『グレン・グラディウス。昔の仲間で、恐らく今の俺の100倍は強い』
『ひゃ、ひゃく??』
『1分は稼ぐ。結界の外まで騒動を持ち越しはしないだろう。ユーノ、なのはを連れて逃げろ』
それきりキーラ君は思念通話を切ると、威嚇するように全身の毛を逆立てて唸り声をあげる。
「流石、理解が早いな。俺たちの目的の為、ジュエルシードを全て置いて行け。という要求は跳ね除けるか」
「当たり前だ」
グレンと言われた剣を持った子も、目を細めると自然体で剣を構える。
『行け??』
「……っ??」
キーラ君の思念が飛んできた瞬間、凄まじい速度で振り抜かれた剣がキーラ君の張った防御陣に防がれ、拮抗する。だが、それは少しずつひび割れ今にも砕けそうだ。
「そんな、キーラの盾が??」
「グレンの剣が、防がれてる……?」
ユーノ君と金髪の魔導師の子がそれぞれ驚きの声をあげている。
「っ、ユーノッ??早くしろ!」
「フェイト。あの子たちを追いかけるんだ」
必死さを滲ませるキーラ君の怒鳴り声に、体がびくりと反応し徐々に後ずさって駆け出す。後ろから追いかけて来る影を何とかかわしながら、結界の端まで逃げる。
「ジュエルシードを渡して下さい」
「……っ!」
しかし寸前のところで回り込まれて道を塞がれる。後ろで続く戦闘音は徐々にこちらへ向かって来ており、キーラ君が押されている様子が伺えた。
目の前の女の子も、あまり待っていてくれる様子は無い。
『労力に対して損害が多いなら、逃げる。これ基本な』
今朝、キーラ君が言っていた言葉を思い出す。ここで立ち向かったとして、目の前の女の子の方が戦い方は上手だろう。勝利、あるいは引き分けに持ち込めるビジョンは浮かばない。だから逃げの一手は戦略として間違ってはいない。ただし、タダで逃げられればの話だ。
「……このジュエルシードは、ユーノ君が探してる大切なもの。理由も言わないでただ渡すことは出来ないよ」
「…………」
すると女の子は一層眉を顰めて杖を構え直す。衝突は避けられないようだ。だから、突破する。
「……バル【Conic lancer , strike】……ッ??」
最近朝に練習している魔力の精密運用とは真逆の放出を行う。同時にレイジングハートが杖先に円錐状のシールドを展開し、そのまま突撃した。
本来の用途が防御なので、相手が怪我をすることはな
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