プロローグ 始まりの咆哮
始まりの咆哮W
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リアに向き直った。
「リハヴァインを、継ぐ者、よ。この少年を、当代の、宮廷鍛治術師、として、迎え、入れよ」
一夏らしからぬ口調で喋ったのはおそらく血の記憶に込められた先達の意識たち。よく聞いてみれば一言ひとこと、独特のニュアンスや訛りがあるような気がする。爬虫類じみた目の一夏は一種のトランス状態にあるのだろうとラ・フォリアは考えた。
「さすれば、我らの、血と技術は、受け継がれよう。これらが、途絶えるのは、我らとしても、本意では、ない。そらは、そちらも、同じだろう」
「はい。私は現国王の娘、現在の王女、ラ・フォリア・リハヴァインと申します。この度はこのアルディギアを支えてきた方々とお話する事ができて光栄です」
「は、はは。そんなに、畏まって、くれるな。我らが、困って、しまう」
「いえ。これは私なりの敬意です。それで、当代の宮廷鍛治術師はその少年、一夏を据えれば良いのですね?」
「その、通り。事情は、概ね、察して、いる。それよりも、宮廷、鍛治術師の、名が、これでは、不便、だろう。これより、この者の、名は、アイン・フィリー、リアス、だ。この者が、目覚めたら、伝えて、おけ」
その言葉を最後に先達たちの意識は消え、あの碧眼を取り戻した一夏は一瞬、何かを言おうとしてそのまま鍛冶場の床に倒れ伏した。
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