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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十一話 魔法
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タシは――――大切な者のために走る。


*****


 雪鳴さんと柚那ちゃん、そしてユーノ君と合流して、指定の場所に移動すると私たちは地上からアースラの管制室にワープした。

 景色は一瞬で全く違うものに変わる感覚は、最初は混乱して乗り物酔いみたいな感覚になったのを覚えてる。

 今は慣れて何も感じないってことは、それだけここにこうして来ることが、習慣とか当たり前のことになってるってことだと思う。

 そんなことを思いながら管制室を見渡すと、すでに中は慌ただしくしていた。

 それを見てユーノ君がデスクと向き合ってる女性、エイミィ・ミリエッタさんのもとに向かって状況を聴きに言ってる。
 
 私たちは職員さんたちの邪魔にならないよう、壁際に移動してモニターに視線を向けた。

 中央奥に管制室の端から端まで、下から天井まで広がる大型の電子モニターに流れる映像がその原因で、私たちがここに来た理由。

 映像には、ジュエルシードが発生させた“それ”と戦う、私たちの知る三人の男女の姿があった。

 小伊坂君よりも真っ黒な印象と歪ませたような笑顔が特徴の男の子。

 三人の中で一番背の高いオレンジの髪をした女性。

 そして、金髪の髪がと黒い衣装を身にまとった女の子。

 オレンジ色の髪の女性と金髪の女の子は連携しながら戦って、黒い男の子は一人で暴れてる。

 場所は地上が見えないから、きっとどこかの海。

 空は分厚い雲に覆われて光が遮られてるから、昼間なのに周囲を凄く暗くさせてる。

 海鳴で経験したことがないくらい強烈な雨と風、そしてどんな建物でも飲み込んでしまいそうなくらい大きな津波。

 そんな場所で一番目立つのが、モニターに映る三人が戦っている敵で、この異常気象の原因――――海から曇天まで伸びる巨大な七つの竜巻。

 きっとジュエルシードがそのエネルギーで発生させたのがそれで、それが原因で豪雨と強風を生み出してる。

 これが地上で、人の多い町に来たらなんて、考えただけで震えちゃう。

 それくらいの竜巻は、三人の魔法を受けてもダメージを受けた様子はない。

 黒の男の子の攻撃が竜巻を横に真っ二つに斬ってみても、切断された所から新しい竜巻が生まれて効果がない。

 竜巻からは細長い竜巻が生まれて、植物のツルのように伸びて三人を襲ってくる。

 それを回避したり、迎撃したりしながら対応しているけど。

「ジリ貧」

 雪鳴さんの冷静な一言に、私たちは頷く。

 私も、戦った数はみんなより少ないけど、少ない私でも分かるくらい、状況はよくない。

 それに加えて雪鳴さんと柚那ちゃんの表情に目を向けると、二人は黙ってモニターに映る状況を凝視している。

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