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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン74 鉄砲水と冥界の札師
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そして、ダーク・ネフティスを攻撃表示に変更する」
「やっぱり……!」

 ダーク・ネフティス 守1600→攻2400

 グレイドルによる寄生の努力を1枚で無に帰す恐るべきメタカード、所有者の刻印。今の僕のデッキは相手フィールドにモンスターを展開する壊獣のおかげであのカードにもある程度の耐性があると言える状態だが、今はないカードのことを話していても仕方ない。
 ミスターTが今回使っているデッキはグレイドルにメタを張りつつ、自分は送り付けたモンスターを奪い返して戦うことをコンセプトとした……まあ、そんなところだろう。そして、その狙いは今のところ気持ちいいくらい綺麗にはまっている。

「バトルだ。行け、異次元の偵察機」
「だからって、舐めんなぁ!トラップ発動、波紋のバリア−ウェーブフォース!相手がダイレクトアタックを宣言した時、相手フィールドの攻撃表示モンスター全てを持ち主のデッキに戻す!」

 球体が側面に付いたアームで殴り掛かってきたのをトリガーに、僕の体の前面に半球状の水のドームが展開される。攻撃を受け止めてはその勢いを受け流す水の守りが、その名のごとく波紋を立てて2体のモンスターを吹き飛ばした。
 これで2体のモンスターがデッキへとバウンスされ、ミスターTの場に残ったのはサタンクロース1体のみ。かなり応えていてもおかしくないはずなのだが、以前としてその表情は変わらないままだ。

「ならばエンドフェイズ、サタンクロースの効果を発動。このカードが自身の効果で特殊召喚されたターンのエンドフェイズ、コントローラーはカードを1枚ドローする」
「そんな効果まで……」

 まさに一方的に送り付けて帰還というあのデッキのためにあるようなドロー効果により、こちらからの被害を最小限に抑えるミスターT。余裕の表情はそういう訳か、と納得はしたが、やはりミスターTは強い。ずっと前に童実野町で戦った時も思ったけど、とにかく動きに無駄がないのだ。

『だが、それは奴の一番の弱みでもある』
「どういうこと?」

 奇妙なことを口走るチャクチャルさんに聞き返すと、僕を元気づけるためかすぐに答えが返ってきた。

『奴らに人間のような心はなく、従って常に冷静かつ無駄のない戦いが可能となる。それは確かに強みでもあるが、魔術の札……デュエルモンスターズはそれだけで勝負が決まるほど単純なものではない。それは、マスター自身がよく知っているはずだ』
「ふむふむ」
『確かに奴のデッキにはそつがなく、常に安定している。だがそれがなんだ?マスターの組んだデッキには1枚1枚に思いを込めて選び取ったマスターの魂が宿り、精霊の力が宿っている。奴にとってカードは手段でしかなく、引き出せる力はカードに記された情報によるそれを決して上回ることはない。いくらスペック上は
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