ターン74 鉄砲水と冥界の札師
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つられてチラリと背後に目をやるが、当然静まり返った廊下には虫一匹飛んでいない。よくわからない不気味な沈黙が数秒間続いたが、何か考えがまとまったらしいミスターTがまた動き出した。
「ああ、私のターンだったな。私の墓地の闇属性と光属性の数が等しい時、そのどちらかの属性をすべて除外することで手札のこのカードは特殊召喚できる。出でよ、カオス・ソルジャー −宵闇の使者−」
体の半身を純白、もう半身を漆黒の鎧に包んだ、開闢と対を成す宵闇のカオス・ソルジャー。これが奴の今度のエースモンスター、ということでいいのだろうか。
カオス・ソルジャー −宵闇の使者− 攻3000
「さらにこの瞬間、光属性を素材とした宵闇の使者の効果を発動。バトルフェイズを放棄することで、フィールドのモンスター1体を除外する。私が選択するのは、多次元壊獣ラディアン……」
「だったらここで、手札からモンスター効果発動!相手フィールドでモンスター効果が発動した時、手札のこのカードを捨てることで破壊する……お願いね、幽鬼うさぎ!」
宵闇の使者が剣を振りぬき、次元を切り裂く斬撃を放つ。だがそれと交差するように僕の背後から目にも止まらぬスピードで飛んでいった1本の鎌が、正確にその白黒に分かれた境目に突き立った。後ろを振り向いて親指を立ててみせると、無い胸を張ってちょっと得意げに微笑む銀髪の女の子がすうっと消えていくのがチラッと見えた。
これで、宵闇の使者は倒した。ラディアンこそ除外されたものの、装備されていたアリゲーターの分も含めウォーターフロントのカウンターもまた2つに増えた。とはいえ、これで終わるはずもない。この程度で手詰まりになるような相手なら、もっとすんなり勝負は……。
「ターンエンドだ」
「え……?」
『ん?』
あっさりと終えられたターンに、僕だけでなくチャクチャルさんまで意表を突かれる。でもラッキー、よりも怪しい、という感想が真っ先に出てきたのも無理はないと思う。まだミスターTには召喚権だって残っているし、手札だって2枚もある。にも関わらずターンを終えるとは、よほど手が悪いのだろうか。
いや、相手は人外の存在だ。手札事故なんて可能性、まずありえないだろう。何を企んでいるのか、僕には見当もつかない。
『……だが、殴るしかないだろうな。不本意だが、何かあればその時はその時だ』
チャクチャルさんですら、何が奴の狙いなのか絞り切れていないようだ。となるとこの神様の言うとおり、とにかく殴って確かめるしかない。
「僕のターン。ラディアン、そのままダイレクトアタック!」
多次元壊獣が再び動く。恐らくこの攻撃は何らかの方法で無効になるか、ミスターTには届かないだろう。だがラディアンの体がぐんぐん迫り、その腕が振りかぶられても
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