第3話 改訂版(2019/04/30)
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リムル様。私のことは朱菜と呼び捨てでお呼び下さい。そして、先の質問にお答えするなら、私は大鬼族ではありません」
「……大鬼族じゃないのか?」
大鬼族じゃないのに、大鬼族で姫として扱われてるの?俺がそんなことを考えていると、朱菜は俺の疑問に答えてくれるように話を続けてくれた。
「私は大鬼族の父と母の間に生まれた突然変異の上位種―――仙鬼と呼ばれる種族なのです」
「仙鬼?」
「リムル様は仙人というものをご存知ですか?」
「えっと、仙人ってあれか?不老不死で不思議な力を使う人間のあれか?」
「まぁ、概ね間違ってはおりません。正確には不老ではなく、18歳以降の老化速度が極端に遅くなるだけなんですが……。あと、不死というのも正確ではありませんね。
老化などで体が朽ちることはありませんが、外的損傷で体を滅することはできます。ただ、仙人となった者は魂魄生命体なので、体を失っても魂魄が健在なら時間を掛けることで肉体を再生させられます。
あと、仙術と呼ばれる魔法とも妖術とも異なる力を使える。仙人とはそういう存在です。
そして、仙鬼とは鬼族――子鬼族や人鬼族、大鬼族等から仙人へと至った種族なのです。
仙鬼へと至った者は自身の力を制御することで人間と同じ姿へと変化できる様になり、戦闘時に晒すのも人間と魔物の両方の特性を有する半妖態という姿で、生まれながらの本来の姿を晒すのは人化も半妖態も維持できない弱っている時か、力を制御できなくなっている時くらいなのです」
「……えっと、つまり君は現在力を制御できる状態だから角の無い人間の様な姿に変化してるってことか?」
「そういうことになります」
「……仙鬼ってことは、仙術ってのが使えるのか?」
「はい。お見せしましょうか?」
俺が何となしに仙術を見てみたい的なことを言うと、朱菜は特に戸惑う様な素振りも見せず、そう返してきた。
「え?いいの?」
「見られて減るものではないので、構いません。ただ仙術は攻性術式の方が多いので、見せるとなると村落などが無い方向に向かって放つしかないのですが……」
「……リグル、ここら辺って俺達の村落以外は未開拓領域だよな?」
「と、東方に子鬼族の村落が点在してますが、南方なら山なので問題ないかと」
「じゃあ、南に向かって放ってみてくれないか?」
「えっと、それでは使わせて頂きます」
朱菜はそういうや否や、瞳を波紋模様に巴紋が浮かんだ万華鏡の様に煌めくワインレッドの眼へと変化させ、更に全身をオレンジ色に光らせ始めた。
このオレンジの光は身体の内から外に漏れ出した魔素か?それとも仙人特有の何か特別な|妖気《オーラ
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