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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第603話】
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 困ったように笑うシャルトルーズ――シルバーはクスッと僅かに笑みを溢した。


「初めまして、シルバーよ」

「あ……。 ぼ――私、シャルトルーズ――」

「ええ、わかってるわ。 ボスには本部を案内してもらったかしら?」

「あ……ううん、まだだけど――」

「なら私が案内します。 良いわよね、ボス?」

「ああ、そうしてくれると助かるよシルバー」


 ウィステリアはそう告げる――カーマインは気だるげに欠伸をすると。


「あぎゃ……わりぃがボス、そろそろ俺様は寝るぜ」

「ウィステリア様、僕は機体の整備をしていますので何かあれば御呼びください」


 そう言って二人はその場を出る――そしてシルバーはウィステリアに一枚の資料を渡した。


「ボス、デュノア社から報告が上がりました。 どうやら第三世代の開発に成功したとの事です」


 デュノア社――その言葉に僅かに反応したシャルトルーズ、その表情に少し陰りが落ちていた。

 ウィステリアは資料を受け取り――。


「機体名はコスモス――だな」

「ええ、あくまでも開発に成功した段階ですから名称はまだでしょう。 ですがその名前で間違いはないはずです」

「ああ。 ……テストパイロットは決まっているのか?」

「まだ報告にはありませんが――デュノア社専属テストパイロットである『ショコラデ・ショコラータ』、或いは『シャルリーヌ・デュノア』がパイロットになるかと」

「ふむ……。 ……ご苦労、ではシルバー、彼女を案内してあげてくれ」

「うふふ……わかってるわよ、兄さん」

「……ウィステリアだ」

「……ふーん、何か僕が居ない間に随分仲良くなったんだね、二人は」


 シャルトルーズが頬を膨らませ、そう告げる。


「ええ、兄さんとの蟠りはもう無いし」

「……シルバー、早く案内しに行くんだ」

「はぁい。 ……じゃあ行きましょうか、シャルトルーズ」

「うん。 ……ヒ――ウィステリア、また、ね?」


 二人も共に会議室を後にする――。

 残されたウィステリア・ミストは椅子に腰掛け、月を眺めた。


「……もうすぐ京都……か」


 そんな呟きが夜空へと消えていく。


「……ッ! 有坂ヒルト……あやつのせいで私の立場が……!!」


 憤りを見せていたのはオーランド・カーン、日本の病院に入院してる間に不祥事を暴かれ、役員を解任されてしまった哀れな男。


「それもこれもあの織斑一夏が不甲斐ないからだ! 何がブリュンヒルデの弟だ! それに――忌々しいブリュンヒルデめ!!」


 病院の屋上で一人激昂するオーランド――その背後にいる女性
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