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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第603話】
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よ。 ……キミのその手が血で染まろうと、それはキミが【あの世界】をどうにかしようとして出した結論でしょ? ……世界の全てを敵に回し、嘗ての仲間も手にかけなければいけない修羅の道……」


 ウィステリアは答えなかった、ただ――腕に抱いた彼女を離したくなかった。


「……キミがいない世界に、僕の居場所はないよ。 ……例え僕の手が血に染まっても――僕はキミの側に居たい……」

「……そう、か……。 ……ありがとう」

「ううん……。 ……所で、ここはどの辺りになるの? っていうか、日本っぽいけど」

「ああ、ここは日本だが事情は移動しながら説明するさ。 ……ISはあるか?」

「勿論。 ……ていうか、ISコアがなかったら来れなかったもん。 キミが僕のISを――コアを破壊しなかったお陰だよ」


 そう言ってふわりと舞う彼女――、首もとのネックレスから光が放たれ、長い金髪が風に靡き、白と橙を基調としたISを纏った。


「……では案内しよう。 ……それとだ、ここでは私の事はウィステリア・ミストと呼んでほしいのだが」

「……ウィステリア・ミスト? 私? ……フフッ、何だかキミが【私】って言うの、似合わないなぁ」

「そう言うな。 俺だってわかってはいるさ、これがな」

「フフッ、わかったよ。 ウィステリア・ミスト――ううん、ウィステリア」

「すまないな、その辺りの説明も道中行おう」

「うん、お願いね……? えへへ……君と無事に会えて良かった♪」


 そう告げると二人はその場から飛翔していく。

 静寂に包まれた公園、ぼろぼろになった一枚の証明書から僅かに文字が書かれていたが、ほとんどが何かの影響で黒ずんで読めなかった。

 だが名前の欄に書かれた名前【シャ―ロッ―・――ノ―】の文字が見えたが、風に舞ってボロボロと紙は風化して消えていった。

 そして夜、イルミナーティ本部会議室に集まっていたのはシルバー、カーマイン、スレートだった。

 だがカーマインとスレートはウィステリア・ミストの隣に居た女性が気になった――。


「ボス、その女は誰だ?」

「……彼女は私の同士となった者だよ。 ……コードネームは【シャルトルーズ】」

「…………」


 シャルトルーズと呼ばれた女性はチラッとウィステリアを見る――最初に会った時とは違い、今は仮面を着けていた、事情があるのだろう――シャルトルーズは敢えて訊かなかった。


「初めまして、ぼ――私は【シャルトルーズ】です」

「いきなり幹部格のコードネームですか……。 初めまして、僕はスレートと申します」

「あぎゃぎゃ、俺様はカーマインだ。 いい女は歓迎するぜ?」

「あ、あはは……よ、よろしく」

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