最終章:夢を追い続けて
第51話「動き出す者達」
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=秋十side=
「........。」
模造刀を静かに構える。
息を吸い、吐く。目を瞑り、気配で周囲を探る。
「.....っ!!」
キンッ!!
瞬間、飛んできた複数の木の板を斬る。
模造刀とはいえ、“風”と“水”を宿せば木くらいは斬れる。
「...まだまだ、だな。」
「なんだか、満足そうじゃないね秋兄。」
俺がそう呟くと、木の板を投げた一人であるマドカが声を掛けてくる。
「なんというかな...伸びしろがなくなってきてるというか...。」
「マンネリ化が進んでる...って感じかな?」
「そうなるな。」
もう一人、投げてくれた人...なのはが俺の考えてる事を言い当ててくる。
ちなみに、名前で呼ぶようになったのは、なのはに言われたからだ。
「んー...じゃあ、私が相手しようか?」
「...その手があったか。」
現在、一般生徒の自室待機は解かれている。
ISが使えなくなったとは言え、IS学園のセキュリティは高い方だ。
桜さん達ならともかく、そこらのテロリストが来ても対処できると判断したのだろう。
だから、なのはは俺の朝の日課に付き合ってくれていた。
「私も、久しぶりに外で鍛錬ができるのが嬉しくてね。」
「...持ってきてたのか。」
なのはが取り出したのは小太刀サイズの木刀二本。
御神流がよく扱う武器だ。
「いいなぁ...私も後でやっていい?」
「いいけど...マドカちゃんって...。」
「あ、フィジカル面でも俺とは違うベクトルで強いぞ?」
マドカはISでの腕前が目立つが、生身でも強い。
千冬姉に似ているだけあって、見た目に反した強さを持っているのだ。
「それならいいかな。じゃあ、とりあえず...。」
「....やるか。」
お互い、武器を構える。俺も模造刀から木刀に持ち替えておいた。
「っ!!」
「(早い!)」
瞬間、なのはが掻き消えるように俺の懐へと飛び込んでくる。
即座に“風”を宿し、対処に動く。
「(...技において、俺は彼女に劣っている。勝てるとすれば、それは経験と努力の差と...桜さんに教えてもらった、四属性の有無による差...。)」
死角に回り込み、撃ち込まれる斬撃を上手くいなす。
“風”だけでは足りないと判断し、俺は“水”も宿す。
「ぜぁっ!」
「くっ...!」
反撃を放つが、一発目は躱され、二発目は利用されて間合いを取られた。
...なるほど、ISで制限されてるだけはあるな。
「(おまけに、この動きは狭い所で生かされるタイ
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