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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第90話:アイドルマスター?
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赴いてスカウトすることに吝かではない。だがしかし……お前が歌姫(アイドル)として成功するのに手を貸すつもりはない。誰もが認める歌姫(アイドル)になりたいのなら、自らの実力を持ってして達成しろ」

「はぁ……如何いうこと?」
「だから……お前は国王の娘(王家縁の者)である事や、宰相(オレ)の彼女である事を武器にしてはダメだと言っている。人々の心に刻み込まれるのは、お前の歌声や容姿だけであって、家族関係等の縁故では無い……と、言う事だよ!」

「大丈夫よ……この絶世の美少女マリーちゃんの容姿を持ってすれば、人々の心は鷲掴み状態。更に私の歌う曲は、超名曲揃い。パピーやダーリンの威光なんて無くて大丈夫?」
どこから湧いてくるんだろう……この裏付けの無い自信は?

「よし。なら俺だけが芸術高等学校へ出向いて、俺達の関係を秘密にして学長へ掛け合ってやる。言っておくが相棒になる奴にも、お前の縁故関係を明かしちゃダメなんだからな! 解ってるか?」
「わ、解ったわよ……」

どうやら話は纏まったらしい……
ウルフは早速芸術高等学校に赴いて、有能な人をスカウトするんだってさ。
仕事は大丈夫なのか聞いたら、『今日は仕事にならないんだよ』と言われた。

本当に大丈夫!?

リューノSIDE END



(芸術高等学校)
ディレットーレSIDE

本日の授業も全て終わり、自室たる学長室で寛いでいると、ウルフ宰相閣下が自らお見えになった。
私は慌てて立ち上がり、閣下をソファーへと(いざな)い自らも向かい合うようにソファーへ座る。
一体何の用件だろうか?

「悪いね学長……忙しい時に来ちゃって」
「い、いえ……お気遣い無く」
始めて会った時、既に陛下の側近中の側近だったウルフ閣下……本当に気遣われるのは恐縮過ぎる。

「実はさぁ……学長にお願いがあって来たんだ」
「お、お願いですか?」
なんだろうか……何か危ない橋を渡らせようとしているのだろうか?

「あぁ安心して。別にリュカさんに内密で、何か違法なことをさせようってんじゃないから」
「は、はぁ……」
本当だろうか? 彼は自らの野望を叶える為に、軍部を利用したって話を聞いたぞ。

「実はさぁ……知り合いに、歌唄いになりたいって女が居てさぁ……其奴の手助けをして欲しいんだよ」
「はぁ……つまり裏口入学ですか?」
出来ればそんな申し出は断りたい。

「いや、違う違う。芸術高等学校(ここ)に入学させたい云々だったら楽だったんだけど、其奴さぁ……努力とか嫌いな奴でさぁ(笑) 『自分は今すぐにでも歌唄いになりたい』って騒いでて、今更学校で勉強したくないんだよ」

「……だ、だとすると私には如何することも」
裏口入学の手引きだって困るのに、
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