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憑依先が朱菜ちゃんだった件
第2話 改訂版(2019/04/30)
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たんだ。その姿が神秘的に見えて目を奪われない訳が無い。

しかも、俺に向けられた瞳―――波紋模様に巴紋が浮かんだ万華鏡の様に煌めきがかったワインレッドの眼を見た瞬間、今の身体には無い筈の心臓を鷲掴みにされた様な感覚に陥った。


「「しゅ、朱菜!?」」


俺と桃髪美少女巫女が見つめ合っていると、玉砕覚悟で俺に向かって来ようとしていた中年と青年が同時に声を上げた。

朱菜?朱菜って、あの青年が言ってた名前だよな?ってことは、この桃髪美少女巫女があの青年の彼女ってことか?クソッ!やっぱりリア充かよ!!

俺がそんなことを考えていると、桃髪美少女巫女は俺に微笑み掛け、一瞬の内に姿を消した。そして、気付いた時には中年と青年の背後を取っていて、その頭に手を添えると―――


「何をやってるんですか、お父様!お兄様!!」
「「へぶらッ!!」」
「「「「「「「「「「えぇーーーーーーーー!!?」」」」」」」」」」


そのまま地面へと中年と青年の頭を叩き付けた。桃髪美少女巫女の予想外の行動にその場にいた大鬼族(オーガ)達だけでなく、俺とリグル、ゴブタも驚愕の声を上げる。

っていうか、あの細腕のどこにあんな力があるんだ。顔を叩きつけられた地面が陥没して、地割れを起こしてるぞ。中年と青年、死んでないよな?

っていうか、今お父様とお兄様って言った?ってことは、あの朱菜って子は中年の娘で青年の妹?取り敢えず、青年がリア充でないことは喜ばしく思う。

……まぁ、何はともあれ。これが俺――リムル=テンペストと後に九天魔王の1人に名を連ねる大筒木朱菜との出会いだった訳だ。




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