第2話 改訂版(2019/04/30)
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【視点:赤髪の若】
里から逃げ延びて早8日。俺達、大鬼族の民は封印の洞窟近くの森で武装した人鬼族と嵐牙狼族の集団と鉢合わせ、戦うこととなった。
どうして戦うことになったかというと、武装した人鬼族と嵐牙狼族を怨敵である魔人の手先と判断したからだ。
本来、封印の洞窟付近には暴風竜の魔素によって護られている小鬼族などの下位種族の魔物しかいないのだ。人鬼族が存在するなど何者かによって存在進化させられたと考えるのが自然といえる。
しかも、その人鬼族が他種族の嵐牙狼族と共存しているなど、より上位の存在によって統率されているとしか考えられない。
その上、ここに辿り着くまでの間に巫のまとめ役である大宮司を務める御袋が魔人級の妖気を封印の洞窟の方角から感じ取っていた。
そして、豚頭族共に襲撃される少し前に里に現れた魔人が「こんな里、滅んじまえ!!」という悪態を吐きながら帰って行ったこともあって、人鬼族と嵐牙狼族の集団を襲撃してきた豚頭族共と同じ魔人の手先であると考えた訳だ。
……他にも豚頭族によって37人もの同胞を殺されたことや、里の皆に慕われていた朱菜だけを置いて逃げ出した不甲斐なさから殺気立っていて、感情の赴くまま力を振るってしまった感があることは否定しない。
それでも人鬼族と嵐牙狼族共を殺さない様に配慮はした。この二種族から実害を被った訳でも無い上、魔人の情報を吐かせる必要があったからだ。
殆どの人鬼族と嵐牙狼族が峰打ちによる一撃で気絶する中、我ら大鬼族と切り結び抵抗している人鬼族は残り2名。嵐牙狼族も残っているのは族長と思しき個体のみ。
「その2名の人鬼族と嵐牙狼族は必ず生け捕りにしろ!強き者ほど多くの情報を持っているものだ!!」
親父の指示により俺を含む戦い慣れた大鬼族の戦士が、人鬼族と嵐牙狼族を取り囲み、捕縛する為に掛け出した。
しかしその時、森の奥から何か異様な気配が近付いて来ていることに全員が気付き、駆け出した足を止めた。魔なる者が必ず放つ妖気を一切感じない。されど、人間とは思えぬ気配。
その気配の存在は爺が相手をしていた人鬼族の胸を斬り裂いた瞬
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