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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第598話】
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ましょうか――の前に着替えですね」

「あ、もうこのままいこっ。 じ、邪魔が入っても嫌だから……。 ほらっ、お姉さんと行くわよ!」


 半ば強引に腕をとった楯無さんに俺は苦笑しつつ、二人で向かった場所は電車を乗り継いだ先にあったアーケード街だ。

 行き交う人々――平日だからかサラリーマンや主婦が目立つ。


「さあ、ヒルトくん。 お買い物しましょう」

「OK。 先に何を見ます?」


 そう聞き返す俺――だがその前に楯無さんは俺に手を差し出す。


「ん」

「ん? ……これって、手を繋げって事ですか?」


 聞き返すと、赤くなった楯無さんは俺を見ながら意地悪そうに言った。


「あら、ビンタの方が良いかしら?」


 勿論本気で言ってる訳じゃない、それを理解しつつ俺は笑顔を見せて手を取り。


「ははっ、ビンタするよりは手を繋ぐ方が良いですよ。 楯な――刀奈の手、好きですから」


 突然の刀奈呼びに顔が真っ赤になり、ドキドキ高鳴る鼓動を抑えようと深呼吸した。

 繋がれた手――刀奈はその手を引っ張って走り出す。


「ほらほら、行くわよヒルトくんっ!」

「おっと!? いきなり走り出したら危ないですよ」

「あははっ!」


 笑顔を見せた刀奈に、俺は空いた手で頬を描くと走り出した。


「ヒルトくん、先ずはショッピングよ! その後はお茶してから――あっ、イヤリングも見たいかな、それからそれから――」

「ははっ、何か忙しくなりそうなスケジュールですね?」

「うふふ、当たり前でしょ? お姉さんとのデートは忙しいわよ!」


 楽しそうに笑う刀奈を見て、一昨日の疲れも吹き飛んだ俺はとことん付き合う事に決めた。

 最初に入ったのは冬物コートを売っているブティックだった、店内に入るなり刀奈のファッションショーが始まる。

 様々なコートを着こなす彼女、俺とは別次元の人間なんだなと思ってしまう。

 だけど――そんな彼女は俺と一緒にいる、そんな事実が少し嬉しかった。


「ヒルトくん、これなんてどう?」


 そう言って刀奈が着て見せたのは冬着にしては丈の短いファー付きのコートだった。


「ふむ……パッと見だと暖かいか寒いのかよくわからないコートですね」

「うふふ、でも動きやすいのよ? 流石にロシアじゃ着れないけど」


 そう告げる刀奈――ロシアはニュースでしか見たことがない俺は聞いてみた。


「ロシアってやっぱり寒いんですか? それとも思った程じゃない感じですか?」

「地域によるわね。 春や夏はけっこう寒さは平気よ?」

「成る程……一度行ってみたいですね」

「え?」
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