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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第597話】
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弟にして世界に祝福された織斑一夏。

 もう片方は世界初のIS男子操縦者にして適性により落ちこぼれの烙印を押され、世界から評価されなかった有坂緋琉人。

 そして――動いたのは一夏だった。


「ウオォォォオオオッ!! 終わりだァァァッ!!」


 武装腕を構え出力を最小限にした月穿の一撃がヒルトに向かって直進を続けた。

 大気を焼く粒子、だがヒルトは迷うことなくその場でバック宙――景色が逆さになり、頭の下を粒子砲の一撃が通り抜けていく。


「それは読んでたぜ、ヒルトォォォッ!!」


 バック宙で避けたヒルトに対して、加速をつけた雪片によるバリア無効化攻撃を行おうと一夏は四基のウイングスラスターを点火、唸りを上げた。

 着地したヒルトに迫る一夏の一撃――脚部可変展開装甲がイザナミの脚部パーツを取り込み可変――刹那、脚部から衝撃波を放ち加速と同時に一夏の背後をとったヒルト。

 衝撃波が一夏を襲い、更に大神之神霧露の青白い光刃がウイングスラスターを破壊しながら一夏の絶対防御を発動――操縦者生命維持機能が強制的に発動され、守られるも一夏はその一撃で気を失い、前のめりに倒れた。

 四散する雪片――白式も主を守り、エネルギーを使い果たしてその試合の役目を終えたように一夏の身体から粒子となって消えていく。

 荒い呼吸のヒルト、静寂に満ちたグラウンド、勝者は立ち、敗者は地に伏すその光景――誰が予想出来ただろうか。

 連戦で疲労困憊のヒルトが立ち、逆に圧倒的優位な一夏が地に伏している。


「ぐ……うぅ……」


 疲労からか膝から崩れ落ち、ヒルトも同様に地に伏す――唖然とした一同、我に返ったアナウンス担当の生徒が試合終了のブザーを鳴らし――。


「こ、この勝負! 有坂ヒルト君の勝利とします!!」


 そのアナウンスが学園全体に響き渡るや、ヒルトの勝利を信じていた生徒から歓声が巻き起こった――だが。


「ええいっ!! 何が勝者は有坂ヒルトだ!? よく見ろ! あの落ちこぼれも倒れておるではないかッ!! この勝負は引き分けだッ!! 引き分けだァァァッ!!!!」


 反対派のオーランドがその審議に水を差した、落ちこぼれと蔑む有坂ヒルトが勝った事を認めない――鼻息荒くそう告げる。


「お、オーランドさん、落ち着いて――」

「貴様らも黙れ! 私が居なければ、貴様ら等委員会にすら入れん馬鹿ばっかだろうがァァァッ!!」


 反対派の面々がオーランドを落ち着かせようとするも、一喝で萎縮、縮こまった。


「な、何で有坂くんが倒れただけで引き分けになるのよ!?」

「そうだそうだ!! シールド・エネルギーだってヒルトくん一九〇残ってるじゃん!!」
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