黒衣を狙いし紅の剣製 07
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傷設定が切られているため、直撃すれば危険だが、逆に言えばきちんと防ぐことが出来れば関係とも言える。
そのためいつものように剣で斬り払う。それと同時にクロに話しかけようと思ったが、気が付けば無数の魔力矢が迫ってきていた。
魔法で防ごうかとも思ったが、俺はなのはほど防御力が高いわけではない。1発あたりの威力は弱くても雨のように降り注ぐ攻撃を受けていれば防御が砕ける可能性は大だ。殺傷性があるだけに被弾するわけにはいかない。
「くっ……」
「思ってたよりも速い……だけど」
クロはさらに魔力矢の連射と速度を上げる。
普通なら連射や魔力弾の速度を上げれば命中精度は下がるものだ。だが今俺に次々と向かって来ている魔力弾は少しずつではあるが、確実に俺に近づいてきている。驚異的な集中力がなければ実現できない芸当だ。
「クロ、何でこんなことをする?」
「あら、こんな状況で話しかけれるなんて……さすがは黒衣の魔導剣士」
「こっちの質問に……答えろ!」
魔力矢をかわしながら身を捻ると、それを利用して剣を振るって魔力で生成した斬撃を飛ばす。クロはそれに対して反応を示すが、自分に直撃しないコースだと理解したのか身動きひとつしなかった。
「……クロ」
「……分かったわよ。答えてあげる。何でこんなことをするかって? それはね…………私があんたを殺したいからよ!」
その宣言が嘘でないことを証明するかのように、先ほどまでよりもさらにギアの上がった攻撃が始まる。
クロの鋭い光を宿した瞳は真っ直ぐこちらを射抜いており、飛来する魔力矢は全て何もしなければ直撃コースだ。
魔力弾の回転的にこの距離でやってもこちらが不利だ。砲撃で撃ち抜く手もあるが、多少なりとも溜めが必要になる。さっきの斬撃の見切りからして直撃コースでなければ避ける素振りも見せないだろうし、少しでも大技を出そうとすれば早々に気づくはずだ。
高速魔法で接近すれば雨のように降り注ぐ魔力矢を止められるだろうが……こう的確かつ継続的に連射されるとその隙を見極めるのも厳しい。
「ちょこまかと……なら、これならどう!」
今度クロは発射したのはこれまでのような魔力で生成された矢ではない。螺旋状に捻じれているドリルを彷彿させる実体を持つ矢だ。手に何も持っていたことだけに彼女のレアスキルの類なのかもしれない。
しかも飛来する軌道からして、俺が魔力矢を回避した先に撃ち込んできている。剣や魔法で防ぐ手段もあるが、立ち止まれば一瞬にして雨のような矢が降り注いでくるだろう。
だがそれ以上にあの螺旋矢に関しては防ごうという気が起こらない。徹甲弾のように全てを撃ち抜きかねないからだ。
そのため、半ば強引に身体に制止を掛けて一瞬移動遅らせる。それが功
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