黒衣を狙いし紅の剣製 07
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み、昔から愛用してきた黒のロングコートを基調としたバリアジャケットが展開される。
さらに身の丈ほどある洗練された漆黒の長剣が形成される。機動六課の頃はブレイドビッドも搭載していたので仕様が変わっていたが、今は新しいカートリッジシステムを検証していることもあって新しい仕様に変わっている。
人から見れば長剣というよりも大剣と呼ぶだろう。だが昔のものより剣が巨大化しているのは新型カートリッジの負荷に耐えるためだ。まあ単純に大剣にもなる合体剣を使っていたこともあって、そちらに慣れてしまったというのもあるのだが。
「わーお、あなたのってすっごく黒くて大きいのね」
「だから女の子がそういうこと言わないの! それに無駄に息を混ぜない。小学生くらいの子が出していい色気じゃないでしょ!」
ファラ……言いたい気持ちは分からなくもないが、そういうことをいちいちツッコむお前の方がある意味問題だぞ。クロが自覚していない可能性もあるんだから。
「分かってたことだけど……あなたのデバイスって本当に人間染みてるわね。まあどうでもいいんだけど……始めましょうか。……殺し合いを」
「クロ……お前今何て」
その瞬間、赤い閃光が頬を掠める。微かな痛みを覚えた直後、掠めた場所から血が流れ始めた。
赤い閃光の正体は魔力によって生成された魔力弾。だが魔法は犯罪者でもない限り、基本的に非殺傷設定で用いられる。身体的ダメージは全て対象への魔力干渉に変わることで衝撃や痛みは生じても外傷は生じない。
つまり……微々たるものとはいえ傷口が出来たということは、今の攻撃は非殺傷設定が行われていないということになる。
〔マスター、今の攻撃……!?〕
〔ああ……〕
意識をクロへ向け直すと、彼女は先ほどの攻撃に用いたであろう黒い弓を構え直しながら新たな魔力矢を生成していた。
「クロ……どういうつもりだ?」
「どうもこうも今ので分からなかった?」
「意図的に非殺傷設定を切ってるってことなんだな?」
「ええ。だって殺し合うのにそんなものがあっても邪魔なだけでしょう?」
クロの表情は感情が希薄でこちらに向けている目は冷たい光を宿している。嘘を言っている可能性はゼロに等しい。
だが……クロが俺の命を狙う理由が分からない。
たとえ今回のことが目的で近づいてきたのだとしても、あの時見せてくれた笑顔は本物だった。本当に彼女がこんなことをしたいと思っているようには思えない。
「クロ、お前は……」
「無駄口を叩く暇があるの?」
その問いかけと同時に赤い魔力矢が発射される。
見た限り先ほどのものと同種だ。俺の推測が間違いでなければあれは魔力弾の1種であり、速度重視の性質。防御魔法を使わなければ防げないような高威力のものではない。非殺
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