黒衣を狙いし紅の剣製 07
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ろうか。
それ故にグリードさんと考えの違いが生まれて熱くなってしまうこともありえる。さすがに叩いたりするのはやり過ぎな気もするが……その場に居合わせたわけではないからグリードさんばかり責めるのも良くはないだろう。
「クロが待ってるならテスト室に案内してください。お茶はやることを終えてからで大丈夫です」
「そうか。では、ついて来てくれ」
言われるがままにグリードさんの後に付いて行くと、これまでの空間とは一風変わった部屋に到達する。
機械が乱立していて整頓性には少し欠けてはいるが、そこの除けば研究所にある部屋に似ている。この部屋の奥にある空間が魔法を使用しても問題ないテスト室なのだろう。
「散らかっていてすまないね。基本的に私しか使わないから自分の良いように置いてしまっていて」
「いえ、別に気にしないでください。家の散らかり方はうちの義母の方が上ですし」
「はは、あの人は昔から研究一筋という方だからね。それ故に……いや、やめておこう。あの子も待っているようだからね。さっさと始めた方が機嫌を悪くせずに済む」
一瞬不穏な空気のようなものを感じたが……まあ今は触れないでおこう。
血の繋がりがある相手にさえ人は嫉妬といった負の感情を覚える。俺だってなのはやフェイト達に魔導師として嫉妬したことはあるし、義母さん達に技術者として負けたといった感覚を覚える時はあるのだ。グリードさんの中に義母さんへの負の感情があったとしても、それはある意味仕方がないことだろう。
「分かりました。俺は何をしたらいいですか?」
「君のデバイスと一緒に中に入ってあの子と本気で戦ってほしい。普段は訓練用のターゲットなどを使っているのだが、あの子も慣れてきてるのかデータの伸びがイマイチでね。格上と戦った方が良いデータが取れると思うんだ」
「分かりました」
子供とやり合うのは少し抵抗があるが、魔法を使ってくる以上は油断してはいけない。子供であろうと俺よりも強い人物は存在しているのだから。
それに……グリードさんのデバイスを最も使いこなせるのはクロだろう。それに俺は技術者でもあるが魔導師でもある。故に実際に刃を交える形で彼女の戦い方を見れば、はたから見ているよりもデバイスに対して見えてくるものもあるだろう。
そういう意味でグリードさんの案は理に適っている。最近模擬戦などはしていないので少し不安もあるが、まあどうにかなるだろう。
気楽に考えながらテスト室の中に入ると、入り口のドアがロックされた。少し気になりはしたが、クロの実力次第ではテスト室を縦横無尽に駆け回る内容になるかもしれない。万が一に備えてロックしたのだと考えればそこまでおかしくはないように思えた。
「ようクロ…………俺が来て喜んでるって聞いてた割りには浮かない顔をして
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