プロローグ
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ば、何箇所かに針を刺される。
「とりあえずの処置を施しておいた。ユーリンにちゃんと話して薬を調合してもらって休め」
「分かったよ」
ガンベルト兼鞘に銃を戻してロッカーにしまいこんで鎖でロッカーを固定して鍵をかける。一人前になるまでは絶対に許可なく地下から持ち出すなと叩き込まれた。日常と非日常を完全に切り離せと。家族の大人組も仕事と戦闘と私生活のスイッチがあるのか、それの切り替えが上手い。
大人組と言うのは、まあ、その、なんだ。世間一般とは色々とずれているからとしか言いようがない。世間一般から言わせれば、うちの親父はかなりの屑になる。妻以外に愛人が4人いる。そして全員に娘がいる。全部親父の娘だ。おかげでオレには血の繋がった妹が1人に血の繋がらない妹が5人いることになるんだよ。
女癖の悪いように見える親父だが、オレの戸籍上の母親の簪母さんのことが一番で他の母さん達は一段低く扱っている。とは言え、それは本当に僅かな差で、全員をちゃんと愛しているのがよく分かる。たまに砂糖を吐きたくなるぐらいに。仕事中とか戦闘中は男のオレから見ても格好いいのに、母さん達と年も考えずにイチャツイてる姿を見ると何も言えなくなる。妹達の教育に悪い。被害は全部オレに集中するんだから。
う〜ん、言った方が良いのか、黙っていたほうが良いのか。この世界のオレは、いや、そういえば元からオレは鈍かったな。今のオレは経験を積んでいるからだな。まあ、この世界のオレ、元士郎が人間に拘る理由は実の妹を種族的に一人にしないためだろう。
無限の力を持つ何かであるオレと、無限の力を持つ悪魔が三人と無限の力を持つ龍と無限の力を持つ元英霊の妻達の間に産まれている娘達。あの男女から産まれた純粋な人間。元士郎はそこに本能で気付いている。
そしてこちらの世界に踏み入れた。神器も使わずに法儀式などの魔力や光力を使わない技術で。無謀にすぎるが、オレが言えた義理ではない。もっと無謀、無理、無茶をやってきた身としては、必要な道具を揃えてやることしか出来ない。あと、ストーキング。
地下から出ていく元士郎の後を気配遮断で隠れて追うオレとユーリン・サッバーハ、静謐のハサンの間に産まれた娘、シーリンの首根っこを掴む。
「シャワーを覗き込むのは駄目」
「は〜い」
「よろしい」
放してやると再び気配遮断を行いながらダッシュで元士郎を追いかける。母親に似て変な方向に積極的だな。堂々としていればいいのに、態々気配遮断でこっそりと傍にいるだけとかな。
他にも簪との間に産まれた娘の鞠とクラリッサとの間に産まれた娘のフリーデは水晶での覗き見をしていたみたいだし、蘭との間に産まれた娘の百合は今も隅っこに隠れているし、恋との間に産まれた娘の
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