第2話 閻魔の裁量
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頂きます。九鬼財閥総裁殿」
何時の間にか雷画の横に正座していた士郎が答える。
「そんな肩っ苦しい呼び方しなくていいぜ?衛宮し、いや士郎って呼ばせてもらうぞ。お前さん、英雄のダチなんだろ?なら俺も帝で良いぜ?」
「では帝さんと」
「おう、それでいいぜ。じゃあ、聞かせてもらおうか?」
「では、少々お時間戴きまして、まずは――――」
−Interlude−
今現在、九鬼メンバーは九鬼極東本部へ帰還のために車内にいた。
しかも全員助手席又は後部座席に。
行きはクラウディオが運転していたが、今運転しているのは何と士郎だ。
理由は英雄以外全員酒を口にしているのと、自分が運転して送っていくと言う士郎の提案に甘えた格好だ。
その運転中の士郎を英雄以外の4人は値踏みしながら、自分達が知る事の出来なかった事情説明の時の事を思い出す。
シャドウサーヴァントの顕現している所からの推測による原因。
ゴールデンウィーク前に起きた、事件の全容。
先月起きた騒動にて、藤村組で出来た知り得る限りの情報と戦闘内容と結末。
それらを話し終えた後、自分達の協力が必要不可欠なのかと揶揄い交じりに雷画に言った帝だが、藤村組としては別に頼る所は九鬼財閥しかない訳では無いと突っぱねて、寧ろ、士郎と言う魔術師的戦力を借りたいなら高くつくぞと揶揄われた事も思い出す。
(思い出すだけでも腹が立つ。何てむかつく笑顔だったんだあのクソ爺ィ・・・!)
そしてヒュームは強敵である鉄心の怠慢に憤る。
(孫の教育と指導に失敗し、剰え他者に頼るとは。何と言う無様さか)
三つとも関わっていた百代の件についても話をしたことで、呆れを隠せずにいたが、今はそれ以上にヒュームだけでは無い4人の興味の中心は士郎その人だった。
クラウディオは値踏みと言うよりも力に溺れない強固な精神に感心し、マープルはさらに魔術使いとしての力量に興味を持ち、残りの2人はまるで楽しそうな玩具を見つけたように見ています。
事実帝は、
『爺さん!士郎を九鬼に入れてみな』
『断る』
『いいじゃねぇ』
『却下』
『減るもんじゃ無ぇし』
『減る』
なんて応酬があったぐらい気に入ってしまっている。
そして矢張りヒュームは士郎の戦闘力についてだ。
弓の才能は兎も角、それ以外は自分や百代と違って才能の無い士郎が無理矢理見事壁を越えた愚直なまでの努力し続ける姿勢などに興味関心が尽きない様子だ。
その4人の視線をものともしない士郎は運転しながら英雄と話している。
「――――それにしても士郎がまさか魔術師だったなんてな、何故隠していたんだ?」
「いくら親しいからと言って、ベラベラ話広める事は
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