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衛宮士郎の新たなる道
第2話 閻魔の裁量
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つまり応じてくれるのだと立ち上がろうとするヒュームだが、しかしと。

 「だが今は宴の席で、私は玉座にて夕餉を楽しんでいる女王だ。その私から褒賞を賜りたいのであれば、まずは洗礼を見事受け流してみせよ」
 「洗れ・・・・・・!?」

 突如自分の異変に気付くヒューム。
 乳様突起、人中、こめかみ、喉ぼとけ、顎。
 人体の急所で特に狙われやすい幾つかの内、五ヶ所に尖端の針の代わりに吸盤の付いた玩具のダーツがいつの間にかに張り付けられていた。

 「・・・・・・・・・」

 それらを瞬時に引き剥がしてスカサハを睨み付けるヒューム。
 当人は汁物を吸ってから気だるげに答える。

 「魔術は使っておらぬぞ?」
 「それ位は分かる。つまり賜われぬと?」
 「貰えないなら奪えばいいと言う考えもあるぞ?だがその考えを雇い主の親子と、旧友兼同僚からの理解を得る他ないが」
 「・・・・・・・・・」

 周囲からの視線が強いのが容易に解る、つまり不可能である。。
 これには断念せざる負えないヒュームだったが、スカサハからのまたも意外な言葉があった。

 「私は大概暇を持て余している。何時でもとはいかぬが、貴様との都合が合えば相手をしてやれることもあるだろう」
 「・・・・・・・・・ッッ!!」

 明らかに士気を取り戻したヒューム。
 それを旧友兼同僚の従者2人が仕方ない奴だと、ほとんど同じような反応を見せる。
 そんな3人とは違い九鬼親子は、魔術の話になってから人払いしたこの部屋で何度も出入りを繰り返している唯一の人間である士郎に注視していた。

 「なあ、爺さん」
 「ん?」
 「あの少年」
 「自己紹介しただろう?儂から言うのも変な話じゃが、好きに呼んでいいと思うぞ?」
 「じゃあ、衛宮士郎も魔術について知ってるのか?」

 帝の言葉に同じように疑っていた英雄は勿論、従者3人も注目する。
 それに対して雷画は何と、

 「と言うか魔術師――――魔術使いじゃ」
 「「「「なっ!?」」」」
 「もっと言うなら十日前と一月前ほどの騒ぎを治めたのも士郎じゃ」
 「「「「はっ!?」」」」

 まさかの爆弾発言に英雄と従者3人は驚きを隠せない。
 勿論帝も驚いているが、それ以上に、

 「ほぉ〜?そいつは驚きだが、今迄魔術師の存在をひた隠していたのに、如何いうつもりだよ?噂じゃ、衛宮士郎は爺さんのお気に入りなんだろ?それが実は魔術師だったと明かすなんて、如何いう魂胆なんだ?」
 「フン、単にお前達にも事の重要性を明かしといたほうが良いと判断したまでじゃ」
 「なら俺達が知らなかった2件の騒ぎの事情についても明かしてくれるわけだ。なら早速説明してもらおうか」
 「それは私の口から直接説明させて
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