第2話 閻魔の裁量
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のは帝では無く、英雄。
しかし英雄が驚いたのは“話が違う”からだ。
士郎の話ではそこまで深刻な事にはならないと言っていたのに、蓋を開けてみれば腕を出せと言うけじめを強要してくる。それも世界を背負う偉大なる自分の父に。
こんな事が例えけじめであろうと許される訳がないと叫ぼうとしたところで、一瞬父と視線が合った瞬間に目で言われてしまった。
『これが俺の覚悟であり、責任。だから口を出してくれるな』と。
これに英雄は歯を食いしばりながら黙るしかなかった。
その2人を見ていた従者3人はそれぞれに思う。
マープルは、元々の責任は情報管理を徹底する事の無かった当時の自分を恥じ、呪った。
クラウディオは、自身の無力さを呪う事しか出来なかった。
そしてヒュームは、
(帝様が片腕を失えば、当然何故失ったのかの経緯を調べる者達が出て来る。そうなれば必然的に藤村組に行きつき、世間から非道だと責められるのは目に見えている。それを分からないお前では無いだろ。雷画・・・・・・!!!)
鉄心同様、生涯の強敵と認めた男がこんな事にも気づけないのかと、失望に近い怒りを感じていた。
しかし3人がどう思うと、現実は着々と進んでいく。
雷画が取りだしたのは、ある風呂敷だった。
その風呂敷から出てきたのは光り輝く――――。
((((何だあれは??))))
帝の後ろから見る4人は、雷画が取りだした物の正体が掴めずにいる。
目の前に居る帝も本来であればその様なリアクションを取っていただろうが、そんな場合では無かった。
「さて、引き返すなら今じゃぞ?」
「此処で引き返したら俺が来た意味が無い」
「いい度胸じゃ。では――――のっ」
雷画が“何か”を使って、差し出された左腕目掛けて振り下ろした。
「ぐっ・・・・・・・・・・・・?」
振り下ろされた時、激しい痛みが腕から感じたが、何故かそれだけ――――肝心の継続的な激痛と斬られた先の喪失感がまるでないのである。いや、そもそも、
「何で繋がってんだ?」
斬られた手首の先の左手を普通に動かす事が出来るのだ。
如何いう事か尋ねようとしたところ、雷画から僅かに嗤い声が聞こえて来た。
「ククク。随分とした神妙な顔じゃが、事態がまだ呑みこめんとはお前らしくないのぉ?」
「は?」
「つまりの、藤村組の方針としては随分前から今回の件はほぼ赦していたんじゃ。九鬼財閥にダメージを与えたい幾つかの企業連合やら連盟隊からの誘いを断るのも面倒じゃったしの。まあ、一応けじめとしてこの場を設けたがのぉ」
「・・・・・・・・・」
「それにしてもアレじゃの、お前のその真面目くさった面に敬語は何というか傑
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