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東方
H01ATT(Anti Tank Trooper)
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は、自然から生まれる存在で、無邪気でいたずら好きだが、基本的に無害。
そして何よりーーーー弱い。
男は逃げだしても手放さなかった刀を握りしめた。
ついてないついていないと思っていたが、妖精が相手なら話は変わる。
何より相手は敵である。情け容赦する必要などない。
刀をさやから抜き、弱者をいたぶる自分の姿を妄想した。


だから、男は気づかない。妖精たちの異様さに。
腰に付けたカンテラから青い光が漏れ出でる。
何かに憑りつかれたような無表情でゆらゆらとまっすぐちかづいてくる。
そして何より、その手には、見たこともないほど巨大な銃が握られていた。


「ん? 変なもんを手に持っているな。おもちゃか何かか?」


へらへらと笑いながら妖精が近づくのを待つ男は、知らない。
幻想郷で生まれ育った男は、銃という兵器すら知らなかった。
その銃の威力を推し量ることなどできない。
そして、いたぶろうと妖精に刀を振りかぶった瞬間……銃声が轟き男の意識は永遠に途切れたのだった。


"ドア・ノッカー"


それがこの銃の名前だった。
使用者への負荷と整備性を無視した極限までの威力を追求した異端の巨大な銃は、戦車の装甲さえ貫く。ゼロ距離ならばだが。


"保身なきゼロ距離射撃"


これが、大祖国戦争にてドイツ軍(人類連合軍の中核部隊)の戦車兵を戦慄させた人命を無視した狂気の戦術だった。
戦車へと肉薄し装甲に直接銃口を当て、必殺の弾丸を打つ。
不死身の妖精だからこそ可能だったともいえる。


"沼へ誘う鬼火(ウィル・オー・ウィスプ)に導かれるまま、保身無き零距離射撃を敢行する"

"焼硬鋼(ブルースチール)のランタンを持った歩兵と会ったら、味方と思うな。だが決して敵に回すな。そのランタンは持ち主の魂をくべる炉。奴らは蒼い鬼火と共にやって来る"


ドイツ戦車兵の口づてに広まる噂。青い鬼火を見ただけで恐慌状態に陥る部隊まであったという。
そして、彼女たちの部隊名こそーーーー





「なーんか、大したことなかったわね。気持ち悪い顔してたから、何か企んでるかと思ったんだけれど」

「無事、作戦が成功してよかったわ、チルノちゃん」


つまらなさそうに口をとがらせるのは、空挺軍大将のチルノだった。
ほっとした様子の副官大妖精は、忙しそうに指示を出している。
突撃馬鹿のチルノは細かい指揮は大妖精に任せており、名コンビといえた。
あたりには、つい先ほどまで "人間だった" 破片が散乱している。
この惨状を引き起こした部隊こそが、


『H01・ATT(アンチ・タンク・トルーパー)』


である。戦闘狂という
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