第一話。全てが酷かったので青空を見上げました
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で使うのが税務官僚だ」
全員がこの発言にすくみ上る。警備の兵士がごくりと唾を飲む。
「いいか、一日二度のチェックは常に午前と午後だ。仕事で忙しくてな。分かったか」
全員が困惑する中、ライが続ける。
「国民が豊かならば、税収が上がる、当然のように計算すればわかるのが税務官僚だ。そこには功績はない、国民を金で肥やさせるのが税務官僚だ。ねらい目は中間層、一番の金払いの良い方々だ。どんな国民も中間層になればよいが、まあ偶には富有層も居るだろうそれはたまになら許そう、全体の収益の計算が合えば」
恐ろしい事を平然と言うライに、税務長官もすくみ上る。
「一番は国民には長生きしてもらい、当然のように税金を長く支払ってくれる良い国民ならば良い、支払わねば徴収だ。軍を動かしてでも奪え」
全員が青褪める。
カスラとしても言葉がない。
「計算は合う、どんな計算も合う、簡単だろう。」
乱暴を通り越し、これでは公務の強盗だと誰かが言う。
「国民には豊かになってもらい、それを支えるのが税務官僚だ。国民の為に常に豊かさを求めるのが税務官僚だ。貧しさなど買い占めろ。国民に昔は貧乏だった、そう誰にも言わせてこそ、税務官僚である」
税務官たちが鎮まる、警備の兵士もごくりと唾をまた飲む。
カスラもこの友人の破天荒なやり方には頭を抱える。
「当然のように功績は売却してもよいのが税務官僚だ。金の話だろ。要は実を取るのだよ」
税務官たちが強く頷いた。税務長官のホーリーランスも強く頷いた。警備の兵士はこの税務の警備で良かったと何かに感謝していた。
「最初に、子供には健康でいてほしいので、医者に見せよう、次に老人、長く税金は支払ってもらわねば、浮浪者達には仕事を教えよう、彼らもよき納税者になってくれよう」
戦慄する全員に、青褪めるのホーリーランスは国庫から有り金を取り出し、これを直ぐに公開し、有りの侭に伝え、国民を医者に見せる。
これには文官長も強く納得し、国民には豊かになってもらい、長生きしてもらえれば当然のようにより金を支払ってもらえるのなら喜んでと働いていた。
国民も複雑ながらも渋々に納得し、子供達も複雑ながらも受け入れる。
翌日までに仕事を行う筈が、官僚の夜は休みだと言って休むライに、翌朝、朝日が昇る前に仕事し、計算を終えてから乱雑に書類を集め、国民には豊かになってもらう計画を提供し、職業安定所を建設し、浮浪者達を集め、仕事を教える。
ライの政務は破天荒で型破りであるが、長期的な実利に動くために誰もが納得していた。
それが終われば獣の治療、疫病の研究、より国民を長生きしてもらい、より豊かになってもらい、この功績を売却し、税務官たちは肥えるという仕組みだ
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