最終章 ハッピーエンドを君に
第53話 そして時は動き出す
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
リアスは激怒した。必ず、かの 邪智暴虐 ( じゃちぼうぎゃく ) のロリを除かなければならぬと決意した。
リアスには吸血鬼がわからぬ。リアスは、純血の悪魔である。眷属を作り、彼らと共に暮らしてきた。けれども、男の娘に対しては、人一倍に敏感であった。
「わ、私のギャスパーが……」
「リアス、しっかりして!」
乱入してきた眷属のあまりの変り様に、リアス・グレモリーは崩れ落ちた。隣では、姫島朱乃が支えている。
塔城小猫は無言で涙を流していた。
彼女たちと戦っていたリインフォースは、痛ましいものを見る目でみていた。戦闘を休止したのは、せめてもの情けだろうか。
「オラオラオラァ!」
「無駄無駄無駄無駄!」
一方、ザフィーラとギャスパーは楽しそうに殴り合っていた。
そこに昔日の面影はない。
「エヴァンジェリイイイイイイイイイイイイイイイィン!!」
「なんだ、グレモリー」
「貴女、なんてことをしてくれたのッ! というか何をしたのよ!」
「勘違いするなよ? ボウヤの方からが強くなりたいといったんだ。そして喜べ、ボウやは完全に神器を使いこなせるようになったんだぞ」
褒めたたえるがよい。と偉そうにエヴァンジェリンは言い放った。
エヴァンジェリン・A・K・マクダヴェル。
600年の時を生きる真祖の吸血鬼的ロリババア。その実力はあるいは魔王を凌ぐかもしれない。
はやてとエヴァは、魔法少女修行の旅(異世界)で出会った。
異世界の麻帆良からはるばるやってきてギャスパーの特訓をしてくれていた。
その特訓の結果、ギャスパーの神器≪フォービトンバロールビュー≫は、禁手化、制御に成功した。
ただし、亜種である≪世界停止の魔眼/ザ・ワールド≫だったが。
「だからって、だからって! なんであんなゴリマッチョになってるのよ!」
「あぁ、あれは禁手化の影響だ。もとに戻るぞ。残念だがな」
「それを聞いて安心したわ」
リアスは、心底安堵した。だが、殴り合いではやはりザフィーラに一日の長がある。
徐々にギャスパーは押されていった。
いつの間にか、周囲の戦闘は停止しており、敵味方が固唾をのんで、二人の壮絶な殴り合いを見守る形になっている。
と、そのときだった。
「ザ・ワールド!」
ギャスパーが叫ぶ。
「そして時は動き出す」
ぐはっ、という声が響く。リアスが、その場の全員が驚いた。なぜか一瞬のうちに、ボロボロになったザフィーラの姿があったのだから。
「申し訳……ありませ、ある、じ」
「ザフィーラ!!!」
ザフィーラが戦闘不能状態に陥った。この事実に、三大勢力側は沸き立った。
が、
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ