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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ハリー・ポッター】編
207 クリスマス・ダンスパーティー
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がたの参加は強制されています。なので、貴方がたは必ずダンスパーティーのパートナーを見繕っておくこと」

確か、そう通達されるのはクリスマスのダンスパーティー直前だったと思ったが、よくよく考えればあり得ないことだった。……それは良いとして、珍しくマクゴナガル先生の瞳に茶目っ気と云うか揶揄(やゆ)が混じっている事に気づいた。

「……とは云っても、お二人からしたら要らぬ世話かもしれませんがね。……さぁ、次の授業にお行きなさい」

俺とアニーはマクゴナガル先生が冗談を言った事に、目を見合わせたのだった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

その日の夜、訓練で先に寝てしまったハーマイオニーとネビルだったが、俺とアニーは別荘≠フ浜辺を歩いていた。

「………」

「………」

最初のうちは(ヒント)≠ノついてだったりと会話に事欠かなかったが、マクゴナガル先生のところから離れて以来、俺とアニーの間を、時折沈黙が支配する様になっていた。……理由は大体判っている。多分アニーもまた判っているだろう。

気まずいと云えば、確かに気まずい。だって、俺の予想が正しければこれから互いに口にするのは拒絶の言葉なのだから。

だが…

(……まぁこういう時は(おれ)≠ゥらだろうな、普通)

去年度から大概いつも一緒にいる四人の中の俺とアニー、もう二人のうちの少女の事を思い出して、意を決しその場で止まる。アニーも俺が立ち止まった位置から数歩進んだところで止まり、身体ごとこちらを向く。

「アニー」

「判ってるよ」

「そうか」

「うん」

アニーは、まるで俺からそう′にされるのを待っていたかの様で、俺が全てを口にする前に即答する。この時点で俺がハーマイオニーと──アニーがネビルとダンスパーティーに向かう事が決まった。

……まだ、アニーには記憶≠渡してないが、どっちにしろ想い想われてもう十年弱。余計な言葉は要らないのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

瞬く間にクリスマスがやって来た。ダンスパーティーは20時から開催されるので、気合いの入った女子生徒なんかは三時間近くも前からドレスアップに勤しんでいる。

アニーは軽いメイクだけで良かったと判断したのか1時間半かそこらで談話室に降りて来たが、意外≠ニ云ったらハーマイオニーに失礼かもしれないが──ハーマイオニーは気合いの入った女子生徒≠ノカテゴライズされていた。

……ちなみに俺の格好は、もはや嫌がらせで渡されたのでは≠ニ云う──(くだん)のローブではなく、“赤龍皇帝の道化の外套(ブーステッド・ディバイディング・ツインギア・クラウンコート)”みたいにところどころに龍の意匠が散
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