第7章 聖戦
第170話 シュラスブルグ城潜入
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舞えばすべてを終わらせる事が出来ると思います」
確かに城門自体に何か特殊な術が施してある可能性がゼロではないが、その辺りに関しては、今、この場に居ないタバサや湖の乙女が調べているので――
何にしても城門を吹っ飛ばしてから後は出たとこ勝負。良い言い方をすれば臨機応変な対応なのだが、悪い言い方なら泥縄式。
正直、あまり誉められた策と言う訳ではない。
「殿下の魔法で鉄製の武器は無効化。更に、弾除けまで用意してくれた上に、城門の突破は敵から鹵獲した戦車。
兵の消耗はほぼゼロに抑えられるこの作戦の何処が下策と言うのです?」
まさか、その剪紙鬼兵とやらが真面に制御が出来ない代物だとも思えないのですが。
かなり不思議そうな気配を発するランスヴァル卿。確かに、上っ面だけを見れば先ほど語った策には良いトコロだらけのように聞こえるかも知れない。
しかし……。
「ひとつ目の問題。それは、アルザス侯爵が行使している魔法の種類が分からない事」
まさか、ここまで大規模な魔法である以上、かなり大きな儀式を必要とする魔法だと思われるのだが、それでも確実にそうだと決まった訳ではない。
軍隊で城門を攻める、もしくは攻める仕草を見せた瞬間、呪文ひとつでリュティスの街の真ん中に直径十キロの隕石が落下。そして目出度く人類滅亡。この世界は彼らの望み通り虚無に沈んで仕舞う。……と言う結果と成りかねない。
流石にそれほど無謀な賭けに、世界や人類の未来をチップに変えて挑む訳には行かない。
「第二は、魔法に因る諜報が成功していない以上、どのような罠が仕掛けてあるか分からない場所に軍。つまり、大人数で踏み込んで行かなければならない点」
至極真っ当な……と言うか、分かり易い理由の方を先に口にして置く俺。もっとも、このふたつだけでも俺から言わせて貰うのなら、十分にこの策を実行しない。実行出来ない理由となると思うのだが。
そして、更に続けて、
「第三。流石に何のリスクもなくこれだけの魔法は行使出来ませんよ」
この策を真面に実行する為には、この辺りに集まって来ている地脈の力を術に突っ込む必要がある。
確かに俺の霊気の総量はかなり大きい。しかし、モノには限度と言う物があり、そして、俺……と言うか、東洋の神仙の術の中にはその自らの限度を超えた術を行使する為の裏ワザ的な方法が存在している。
一時的に周囲から気を集めて巨大な術式を起動させる方法が。
そして今回の場合、少し足りないからその分を多少融通して貰う、などと言う生易しいモノではなく、最低数千。下手をすると其処からもう一ケタ上の規模の魔法となるのは確実。
幾ら一山幾らの剪紙鬼兵たちとは言え、その規模の連中すべてを起動させ、更に、そいつらに対
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