第二十話
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ていこうとすると、奥の方に誰かが要ることに気付いた。
「なにやってるんだ?春雨。」
そこには、机の上に何やら本とノートを開いている春雨がいた。
「あ、二号さん。昨日はお疲れ様でした。」
多分、出撃の事だろう。
「おう、ありがとな。」
「えっと、私はちょっと用事があって……。」
机の上の本を見てみると、何かの参考書みたいなものが開かれて置いてあった。えっと……。
「コナン・ドイルはシャーロックホームズシリーズの作者である、か……ドイツ語なのにロンドンかよ。」
それは、ドイツ語の参考書だった。入門書みたいなものだが。
すると、春雨は驚いた顔をしてこちらを見た。
「え!?二号さん、ドイツ語読めるんですか!?」
「あー、一応人並みには。」
ドイツ語に人並みとか有るのだろうかは分からないが。
「そうなんですか……すごいですね!」
なかなか破壊力のある笑顔だった。
「それで、なんでドイツ語の勉強なんかしてたんだ?」
そう聞くと、春雨はばつが悪そうに笑った。
「えーっと……私の友達にドイツ人の人が居て、その人は日本語を話せるからいいんですけど……単純に私がドイツ語でお話がしたくて、それで……。」
「…………成る程な。」
なかなか友達思いのいい子だ。
「そういえば、二号さんはどんな用事でここに?」
俺がそんなことを思っていると、春雨が逆に質問してきた。
「えっと、交換条件で、青葉から情報を貰う代わりにここに本を取りに来たんだ。まぁ、これから昼頃まで暇だけどな。」
「へぇ、どんな情報ですか?」
俺は少し悩んだ。正直に話そうか……。
「木曾にな、アイツの昔話を調べてみろって言われてな。その事についてだ。」
結局、話すことにした。
「それは、確かに気になりますね……。」
すると、春雨は少し悩むような仕草をした。さっきの青葉のものとは違った、考えているという事が伝わってくる仕草だった。
「あの、私もご一緒しても宜しいでしょうか?」
春雨は、少し声を強めてそう言った。
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